セクハラ ページ16
そんな話をしているといつの間にか明日人たちと合流する。
合流や否や、豪華客船のど真ん中に作られたパーティーには似つかわしくない剛陣の怒号が響き渡る。
剛陣)お前ら!勝手に勝負なんかしやがって!
明日人)サッカーするなら俺達も誘ってよ!
灰崎)そっちかよ!っていうか、こいつらとはすぐに戦えるだろ
何を言うのかと思えば、明日人はサッカーに誘ってもらえなかったことが気に食わなかったらしい。
灰崎がすかさずツッコミを入れた隣では、ヒロトが迷惑そうに両耳に指を突っ込んで耳封じをしている。
A)…ほら、しのももう拗ねないの
しの)…はあーいー
返事はするものの、その顔はまだ不満げだ。
士郎)これを偶然と片付けて良いものかな?
この状況に何かを疑るような声が聞こえて、その場にいる者は顎に手を当て目を伏せる士郎を見つめた。
士郎)壮行会のゲストに招かれたのが初戦で当たるスペイン代表とは、流石に出来過ぎだと思うけど…
A)そう…かな…?
あまり深く考えなかったAは士郎につられて、顎に手を当てて考え込む。
監督)鋭いですねぇ、吹雪君
A)ひっ…?!
そこへひょこっ、とAとしのの肩に手を置いて背中から姿を現した趙金雲。
A)び、びび、びっ!びっくりした…っ!
突然肩に見知らぬ手が置かれたAは小さな悲鳴を上げて飛び退く。
A)かっ、監督…どこから出てきたんですか…?
監督)どこって、Aちゃんとしのちゃんの背中からですよ〜
ヒロト)お前、それセクハラだろ!
くねくねと奇妙な動きを見せながら2人の後ろから離れた趙金雲に。
ヒロトが人差し指をビシリと突きつけながら文句を言うが、趙金雲には寝耳に水である。
だが、そこへ「チッ」と舌打ちを鳴らす音が豪華客船に響く。
しの)マジでやめろって…こちとらただでさえイライラしてるってのに、廃棄行きの肉まんなんかにセクハラされる趣味ねぇっての……やっぱ今すぐにでも通h
監督)じょ、冗談ですよ〜
遮るように言葉をかぶせてくる趙金雲は、しのの険しい顔や脅迫じみた言葉には流石に冷や汗をかくようだ。
監督)おっ、おそらく初戦で日本とスペインがぶつかるのもオリオンによる操作が行われたと考えた方が良いでしょう
無理矢理誤魔化す趙金雲はオリオン財団の意図について語りだす。
クラリオ)その上で、オリオン財団に反旗を翻す我々をこの場で引き合わせたというわけか
クラリオが言い添えると、周りの皆と同じように深刻な表情を浮かべている。
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作者名：39 | 作成日時：2023年8月13日 17時
