不良組 ページ14
しの)………おし、書けた
「ほいっ」とぶっきらぼうに手渡しするしのに、アロソンはとても嬉しそうに頭を下げる。
クラリオ)すまないな
A)いえ、気にしないでください
アロソンの隣に立ちクラリオも頭を下げた。
そこに、灰崎とヒロトと不動の3人組がエントランスから戻ってきた。
ヒロト)あ!てめえ、まだそいつと話してやがったのか!
A)!
ヒロトはクラリオと一緒にいるAを見つけるなり声をあげた。
しの)ッゴホ…お”ー、不良組ぃ…ん”ん”
不動)なんだよ、その声
未だに嗄れた声で咳をするしのに珍しく不動が心配の声を掛ける。
灰崎)もう充分話しただろ!ほら、こっち来い
A)ちょっ、ちょ…ちょっと!痛いよ!
ヒロト)いいから黙って来い!
ベルガモ)おい、女
灰崎とヒロトがAをクラリオ達から無理矢理引き離していく途中、ベルガモに呼び止められる。
ベルガモ)悪いことは言わない…次の試合、お前達は出ない方がいい
A)えっ…?
ベルガモ)出たところで去年と同じになるだけだ、また立てなくなって地面にのたうち回りたいのか?
A)っ…!
まるで煽る口調で言い放つベルガモにしのは勿論、Aも怒りが湧く。
だがベルガモの言っている事は本当の事である。
A)(確かに私達は女って事もあってフィジカルには弱い、ぶつかり合いの時もあっさりと吹き飛ばされた…)
返す言葉も無いAは悔しさに拳を強く握り締める。
しの)はーあ?去年勝ったからって調子乗んなよな
だが、隣に立つしのは違う。
こんな風に馬鹿にされて、しかも女だからというのを理由されるなんて黙っていられない。
しの)絶ッッッ対にイナズマジャパンのが強いに決まってんだろ、今回はタキシードなんて洒落た服着てるせいでコイツらも本気出せなかっただけで本当はお前らなんかけっちょんけっちょんにィ!!
早口でまくし立てるしのは指をビシッとさして言い放つ。
…こうも最後まで噛まずに言うとは流石というべきか、呼吸一つも乱れていない姿に仲間である灰崎たちも引き気味だ。
敵であるスペイン選手達、主にベルガモとルーサーはぽかんとした顔付きから笑い出す。
ルーサー)俺達より強いだって?冗談はよせよ
A)………………
しの)はっ?
フッと鼻で笑うルーサーとベルガモにしのは余計苛立ちが積もる。
その証拠に可愛らしい顔には似つかわしくない青筋がピキっと立っている。
一方のAは最初こそは悔しさや怒りがあったものの、目の前に自分以上に怒りを顕にしている人物がいることで冷静に。
…いや、むしろ冷静を通り越して辟易となった。
A)(…すぐキレる癖なおさせないとなぁ……)
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作者名：39 | 作成日時：2023年8月13日 17時
