やまとなでしこ ページ11
A)本当に…本っ当にすみませんでした!てっきり変な人かと思っちゃって…!!
丁寧に体を二つに折ってペコペコと頭を下げ続けるA。
ルーサー)ったく…ジャパンの女は”やまとなでしこ”じゃないのか?とんだ怪力女だぜ
ギラリと睨んでくるルーサーに散々の言われようだが、Aには文句の言う資格などなかった。
A)はっ、はい…すみませんでした………あの、なっ何か御用で…?
早くこの場から逃げ去りたいがそうする訳にもいかず、恐る恐るルーサー達に問いかける。
ルーサー)ああ…さっさと済ませろよ、アロソン
A)…?
クイっと首を逸らすルーサーの目線には、手を後ろにしながらモジモジとしているアロソン。
A)…あの?
ベルガモ)あっ、おい…!
アロソンの前へと足を運び尋ねようとすると、瞬時にベルガモの後ろへと隠れてしまうアロソン。
…ふくよかな体格のアロソンに、比較的小柄なベルガモでは隠れきれていないが。
中々言い出さないアロソンに嫌気がさしたのか。
わざとらしくため息をつくベルガモ。
ベルガモ)コイツがお前のファンなんだよ、だからサインが欲しいんだってよ
A)えっ?
ふいっとAから顔を逸らしながらぶっきらぼうに伝えると、アロソンは物凄いスピードで頷く。
A)…色紙とか、持って…ます?
尋ねると、先程のAと同じように体を二つに折ってサイン色紙を渡してくるアロソン。
A)えっと、ペン…もらってきますね
近くにいたウエイトレスに声をかけペンを貰う。
A)…アロソンくんってお名前、書いておきますか?
再び物凄いスピードで頷くアロソンに、Aは慣れた手つきでサインを書き始める。
A)…………出来ました
「どうぞ」と手渡しするAに、アロソンは再び体を二つに折ってペコペコとお辞儀しながら受け取る。
色紙を見るなりぱぁっ、と周りに花が舞っているように見える程喜ぶアロソン。
ルーサー)お目当てのモンが手に入ってよかったな
やれやれと言わんばかりに呆れた様子でルーサーは言う。
A)(…この人、なんだかマスコットみたい)
不覚にも、そんなアロソンをかわいいと思ってしまったA。
A)……しののサインも要り…ます、か?
何となく尋ねてみたA。
アロソン)!!
すると、より顔をほこらばせ頷くアロソン。
A)えっと、じゃあしののこと探してk
？)…何をしている
しのを探してくると伝えようとしたその時。
誰かに声を被せられた。
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作者名：39 | 作成日時：2023年8月13日 17時
