慧星に響く歌声は6【オリオンの刻印】 (ページ42)

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恋なんかページ42

ヒロト)………………

……「俺がAのこと、貰っても良い?」……

ああ言われた時ヒロトは、ただならぬ焦りを感じた。

いくらタツヤでも彼女に必要以上に近づいてほしくない、そう思ってしまった。

…これはもう認めるしか無いんじゃないか?、そんな言葉が自然と脳裏に浮かんだ。

ヒロト)…だからって、この俺様が恋なんかあり得るかよ……

そう呟くヒロトの声は隣に立つタツヤには聞こえていないようだった。

タツヤside

タツヤ)(…ヒロトは全くAへの好意を隠せてないな…)

…俺は、いつでも仲間の幸せを願っている

…だからヒロトの好きな人相手に、友情以外の感情を抱くことは絶対にあり得ない

ましてや、相手はAなんだ

……そう誓ってきたはずなのに

……「俺がAのこと、貰っても良い?」……

…どうして俺は、あんなことを口走ってしまったんだろう

…ヒロトの気持ちを確かめたかっただけ?

…いや、そんなつもりはなかった

…無意識に、あんなこと言っていた

…どうしてヒロトを差し置いてAに近づいてしまったんだろう

……「いつまで誤魔化し続けてんだよ、そんなんじゃ一生相手にされないぜ」……

…違う…そんなつもりはなかった

…しのの言葉なんて、俺には関係ない事なんだ

…しのが勝手にそう思ってるだけだ

…しのは昔からそういう所があるから、だから、っだから……

…俺は……俺、は……

…Aの笑っている顔が1番好きだから…っ

…いや、違う、っ違うんだ……

…Aは笑っている顔が一番素敵なんだ

…昔から、ずっと……

………………………………………………

…大切な仲間の、家族の自信が無い姿なんて…見たくないだけだったんだ

…ただ、それだけだったんだ

タツヤ)…たくさん不安にさせて、悪かったよ……っ

…でも俺は、ヒロトを裏切ることは絶対にしない

…だから安心しろ、ヒロト

…これは恋なんかじゃないから………