コーディネート ページ28
船の中にあるドレスルームにて女性陣が着替えている。
…のだが、Aとしのはまだ数あるドレスの中から一つを選びきれていない。
秋)Aちゃん、まだ悩んでるの?
A)ううっ…ごめんね、こういうのどれ選んでいいかわからなくて…
他の女子はもう決めているというのに、Aだけは沢山のドレスを前に立ち尽くしていた。
一方しのは顎に手を当て真剣に選んでいる最中だった。
秋)いきなりだったものね、パーティーがあるから着替えろって言われたの
A)…タキシードじゃ駄目かなぁ
秋)こらこら…女の子でしょ?せっかくの特別な日なんだから可愛くしないと
A)(…特別な日、確かにそうだけど……)
つくし)じゃあ私達が選んであげますよ!
A)えっ…いいの?
つくし)もちろん!憧れのAちゃんをコーディネート出来るなんて夢みたいだよ〜!
A)じ、じゃあお願いしてもいい…かな?
つくし)任せて!
ヨネ)うんと可愛くして、皆を驚かせてやろうね!
本人達より張り切っている女性陣だった…が。
杏奈)…中々決まりませんね
A)あはは……
つくし)うぅ〜〜〜!Aちゃんが可愛すぎてどれも似合っちゃうから…!
皆にあれよこれよと次々に手渡されるドレスを着まくっていたAは、まさに着せ替え人形状態だった。
その顔は若干やつれているように見える。
秋)…しのちゃんは何とそんなに悩んでるの?
そこへ秋が、先程から悩みまくっているしのへと尋ねる。
しの)うんー?……コレ、どうかなって
その言葉に一同はしのの方へと歩み寄ると「わあぁ!」と歓声が上げる。
つくし)すっごくいいじゃないですか!
杏奈)絶対に似合うわね
そう絶賛する女性陣にしのはチラリとAの様子を伺う。
…先程までのご機嫌な姿は何処へいったのだろうか。
そう思いながらクスリと笑うAはこくりと頷く。
A)うん、この色なら私でも着れる…と、思う
しの)ほんとっ?!じゃあコレにしよ!!
自信なさげにAは言うが、しのはパァっと目を輝かせ嬉しそうに飛び跳ねる。
ようやく2人のドレスが決まったのだ。
秋)…ところでAちゃん、好きな人は本当にいないの?
Aの長い髪をとかしながら秋が問う。
A)えっ、いないけど…?
秋)本当に?
A)本当だよ…!
秋)ふふっごめんね、誰に1番ドレス姿を見せたいのかなって思って
わざとらしく尋ねてくる秋にAは、頬を膨らました顔をきょとんとした顔に変わる。
A)へっ?
秋)…それを考えれば自然と”可愛くなりたい”って思うんじゃないかな
ドレスよりタキシードを選ぼうとしたAを秋は心配しているようだった。
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作者名：39 x他1人 | 作成日時：2023年7月28日 19時
