茶目っ気 ページ24
A)(…これからも相手がどんな手を使ってくるか分からないんだよね……)
その言葉を聞いた時、もう治ったことさえ忘れていた切られた足にぞくりと恐怖を覚えた。
その時、背後から声が聞こえた。
？)戦う前から呑まれてどうする
声のする方へと振り向くと鬼道、そして豪炎寺がいた。
豪炎寺)俺達がいなくても堂々と戦い抜いたお前らはどこに行ったんだ?
円堂)豪炎寺、鬼道!
A)2人共、もう大丈夫なの?
鬼道)ああ、心配かけたな
豪炎寺も鬼道の言葉に小さく頷く。
円堂)何だよ、来るなら来るって連絡の一つくらい入れろよな!
坂野上)監督といい鬼道さんといい、驚かされてばかりですよ
風丸)豪炎寺、足の方は順調なようだな
豪炎寺)まあな
A)(豪炎寺くんも鬼道くんも無事戻ってきてくれて良かった…)
2人の帰還に喜ぶA達。
明日人)豪炎寺さんと鬼道さんが戻ってくれば、イナズマジャパンは百人力ですよ!
灰崎)そんなに喜んでいいのかよ、2人が戻ってスタメンから外されんの、お前かもしれないぜ
明日人)あ、そうか…でもイナズマジャパンが強くなるしな…
「そこ迷うとこかよ!」と灰崎がつっこみ、笑い声が飛び交う。
だがその中にも険しい表情をしている者がいた。
光)…鬼道さん…
一星だ。
光)…あんな卑劣な罠にかけて、すみませんでした!
鬼道に向けて深く頭を下げる一星。
鬼道)なあ、一星…俺は受けた借りはきっちり返す主義でな
鬼道は意味深なことを呟いた。
そこに帽子を深くかぶった男が現れる。
？)FFI管理局の者だ、一星光、お前の部屋からこんなものが見つかったのだが…
その男の手には薬品ケース。
A)(…この状況、あの時と同じ……)
明日人)鬼道さん、まさか一星と同じことを…?
「中身を確認したまえ」と一星に箱を渡す。
一星が覚悟を決め箱を開けると何かが飛び出し一星の顔に当たった。
床に落ちたのは…ばね仕掛けのおもちゃだった。
箱の底には「気にするな、これでチャラだ」と、鬼道が書いたメッセージがあった。
鬼道)お前の事情は知っている
鬼道は一星に優しく微笑んだ。
袴田)皆さん初にお目にかかります、鬼道家執事”袴田”と申します
横にいた男性が帽子を取り皆に挨拶する。
しの)執事ってマジでいんだ…金持ちってすげー…
A)(鬼道くん…こんなおもちゃまで用意してたんだ)
鬼道の茶目っ気のある一面にAは思わずクスリと笑った。
A)(やっぱり鬼道くんは優しい人だな)
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作者名：39 x他1人 | 作成日時：2023年7月28日 19時
