勝利への思い ページ13
激しくぶつかり合う中、ハオのスライディングによって剛陣がキープしていたボールをカットされてしまった。
剛陣)しまった!
ハオ)行くぞ、チャウ・シン!
シン)ああ、こんなところで負けてたまるか!
ハオ)たとえここで、全ての力を使い果たしたとしても!
ハオが次々と日本のディフェンスを突破していく。
A)は、早いっ…もうスタミナはお互いに限界のはずなのに…!
光)まだこんな力を残していたなんて…!
野坂)いや、君の分析は正しい
左隣を走っていた一星も想定外の事態に驚きを隠せないようだ。
野坂)彼らの力も既に限界を超えているはずだ、限界を超えても尚走り続けているんだ"己の信念"をかけて
その言葉にAは目を見開き、追いつけないハオとシンの背を見つめる。
ハオとシンが巧みなパスを回しながら日本ゴールへ駆ける。
その瞳には勝利への熱い思いが映し出されているようにも見えた。
シン)明日のことは考えるな!
ハオ)明日じゃダメなんだ!今この瞬間、自分の全てを燃やし尽くせ!
ハオが明日人のスライディングをかわし再び力強く駆け出す。
ハオ)大舞台へ!
シン)世界へ!
ハオ・シン)届け!!
絞り出しされた勝利への思いがAの心にも熱く響き渡る。
ハオ・シン)天を崩し、大地を切り裂く"天崩地裂!"
飛び上がったハオが真下にボールを蹴り落とし、そのボールをシンが再び上へと蹴り返し必殺技を放つ。
威力は今までとは桁違いに強い。
円堂・西蔭・砂木沼)“ザ・アシュラ!”
3人が必死にゴールを死守しようとする。
だが、あれだけ何回も連続で必殺技を繰り出したせいか。
“ザ・アシュラ”の力が先程よりも弱まったように見える。
A)(このままじゃ…っ!)
そう思った瞬間。
明日人、灰崎、野坂がハオ達の真横を横切りゴールへと向かっていくのが見えた。
砂木沼の背中を灰崎、西蔭の背中を野坂が支え。
明日人は灰崎と野坂のサポートをするように声を上げながら2人の背中を支えていた。
その姿を見たしのも一目散に駆け寄りたかった…が。
しの)(…っあそこにおれがいて、いいのかな)
ふと、新条との会話が頭に酷く響き渡り進めようとした足が動かなくなる。
A)(お願い…どうか、止まって!)
その近くでぎゅっと両手を握りしめAは祈るように願う。
やがてボールの勢いは止まり、円堂の腕の中にしっかりと抱き抱えられた。
……その瞬間、試合終了のホイッスルが鳴り響く。
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作者名：39 x他1人 | 作成日時：2023年7月28日 19時
