ピンチを楽しもう ページ2
再び”万里の長城”から”天空隼弾”の流れでシュートを止めようとするが、やはり3人の連携必殺技は失敗してしまう。
その度にボールをクリアするAと野坂。
どうしても砂木沼の技を出すタイミングが少し遅れてしまっている。
その為、連携技はなかなか上手くいかないようだ。
西蔭)タイミングを早くしろと何度言えば分かる!
ついにイライラが頂点に達した西蔭が声を荒らげる。
砂木沼)焦りは何も生み出さぬ、お前ももう少しどっしり構えたらどうだ
A)(まっ、まずい…2人の間に溝ができ始めてる…)
後ろにいる2人のやり取りを聞いてしまったAは呆れたかのような顔でいる。
だが、口を挟めばまたあの地獄のような時間が流れる。
それだけはどうしても避けたい…。
円堂)どうした、2人共!
砂木沼)このままやっても上手くいくはずない
西蔭)そうですよ…
完全に諦めモードの2人。
だが、円堂はもちろんそうじゃない。
円堂)上手くいかないなら、それでいい!
ニカッと笑ってそう言うのだ。
円堂)なあ、楽しくやらないか?
楽しく…円堂のその言葉にAもピクリと反応した。
西蔭)円堂さん、何を言って…
砂木沼)楽しくても負けたら駄目だろう
円堂)いや楽しいかどうかの方が大事だ!思い出せ、フットボールフロンティアで明日人たち雷門中と戦った時のことを!
円堂)試合には負けたが悔しいって気持ちより、楽しかったって気持ちの方が強かったんじゃないか?
確かに2人は雷門と戦った後も楽しかったという顔をしてくれていた。
それがAにとっても嬉しかったことをAは思い出した。
円堂が何故負けたのに楽しかったのか尋ねる。
2人の答えは「仲間を信じてフィールドの上で全力を出し尽くしたから」だった。
円堂)その通りだ!サッカーやろうぜ、楽しくな!
円堂の言葉で砂木沼と西蔭は顔を見合わせて頷き合った。
そんな砂木沼たちを見て、Aはホッと胸を撫で下ろした。
A)円堂くんはやっぱり凄いなあ…
A)(あの2人までを納得させちゃうんだもん、それにこの状況を楽しめるなんて…)
A)(…私も、この試合を楽しまないとね)
Aは3人を信じ、フィールドへと向かって駆け出す。
中国チームは再び“万里の長城”を繰り出し、ハオが“天空隼弾”の構えへと入る。
円堂も“風神雷神ゴースト”を繰り出す。
砂木沼)このピンチを楽しもう、西蔭!
西蔭)あぁ!
ハオ)ここにきて進化とは流石だね、だが破られないよ…“天空隼弾!”
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作者名：39 x他1人 | 作成日時：2023年7月28日 19時
