スパルタ特訓 ページ10
剛陣)この太っちょ!人をおちょくってやがる!
剛陣が今にも殴りにかかる勢いで反発するが服部、日和、明日人の3人が羽交い締めにして必死に止める。
監督)言っておきますが私の練習指示は絶対ですよ?
しの)(この肉まん…やりやがる!)
一見、飄々として何を考えているのか分からないこの趙金雲だが。
自分の立場を上手く利用している事がしのには読み取れた。
何処と無く、自分と同じ匂いを感じたのだ。
監督)サボったらそのイレブンバンドですぐ分かりますからね
趙金雲はそう告げると軽快な笑い方でその場を去っていった。
監督)あっAちゃんとしのちゃんは無理だけはしないように気をつけてくださいね〜
と思ったらそれだけ言い残すとバチン、とハートが飛び交う程のウインクを2人に向けた。
当の2人どころか、その場にいた全員は完全に引いている。
しの)オェ……
A)あはは………
何となくヒラヒラと手を振ると、趙金雲は満足気にニヨニヨと微笑むと今度こそ去っていったようだ。
しの)…まぁ、さっさと練習始めよーぜ?やんねぇと後がうるさそうだしさっ
文句を言いながらも、渋々着いていく各々は雷門中から離れた河川敷へと向かって行ったのだった。
目的地の河川敷に到着した一同は距離が距離だったため少しの間休憩をしていた。
A)皆、何してるの?
剛陣)何って…見ての通り休憩だが?
地べたに座り込む剛陣の耳をしのが強く引っ張りあげる。
剛陣)いっつつ……っ何すんだよ!
しの)ちょっとの距離歩いたくらいで休憩とか話になんねぇよ!ほら走った、走った!
耳を抑える剛陣や他のメンバーにも向けて手を叩き、走るように声をかけるしの。
服部)あと五分だk
しの)だーめっ!
岩戸のお腹の上に項垂れる服部の襟元を掴み、無理矢理立たせると2人の一歩も譲らない言葉が飛び交う。
奥入)ちなみに今日のプランはどのくらいで終わるんですか?
A)1日で百周走るから今からなら夕方には終わる…かな?
その様子を苦笑いをしながら見ていたAが奥入の質問に答える。
日和)ゆっ夕方って、今お昼ですよ!?一体一周何秒で走ればいいんですか!?
先の遠い話に日和はやる前から脱力する。
日和に引き続き、無気力な姿をさらけ出す新雷門メンバーにしののイライラは収まらない。
しの)できないじゃなくて、や、る、ん、だ、よっ!
そしてしののスパルタ特訓が笛の音ともに開始された。
A)ほら、みんな頑張ろう?
Aの一言により新雷門メンバーは走り出す。
一抹の不安を抱えながら…。
続く
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作者名：39 | 作成日時：2023年6月25日 0時
