オヂサン構文と日記と絵。

気休め ページ3

ピーンポーン

　玄関のチャイム音が鳴った。こんな時間に、誰だろうか。
「はい」
「あ、Aちゃんやっほー！分かる？僕！作者だよ。」
「･･･お引き取りくださーい」

　作者が来るなんて聞いてない。あいつは人のプライベートにズカズカと踏み込んできたと思えば謎発言しかしないし。
　正体もいまいち分からないし。借りが無ければこいつとはもうおさらばしていることだ。

「えぇ？！何でなんで？」

　相変わらずうるさいし。･･･が、作者が騒いでいる後ろで、
「だから無理って言ったのに。」
　と、男性の声が聞こえてきた。いや、誰。

「一緒にいるの誰だよ。」

「おお！流石Aちゃん！この人はね、おぢさんだよ。」
「･･･ん？」
「あ、どうもおぢさんです。」

　インターホンの画面越しに見えたおぢさん。意外にも好青年。てか、イケメンだ。

　これは直接拝まないといけない。でも作者が面倒くさい。

　面倒＜イケメン

　断腸の思いで扉を開けると、そこにはまごう事なきイケメンが立っていた。

そこで私の意識は現実へと戻された。

　夢だったらしい。こんな夢を見るなんて、私はイケメンに飢えすぎではないか。というか、最近疲れているのだろう。しっかりと休もう。
◇◇◇

　ピリリリリ

　毎朝恒例の目覚ましの音。その音をかき消して、俺はまた眠りに･･･。

「おい、何寝てんだ。」

　着くことは出来なかった。

　こいつは、にゅこちゃとかいう名前で“占いツクール”というところで小説を投稿している。

　そして、何故か俺もそれを手伝わされている。“おぢさん”役として。その上、こいつは俺の家に住み着いているのだ。
　借りさえ無ければこんなことしないのに。

「てか、今日はAちゃん家に行くって言ってんじゃん。」
「･･･ハァ？！聞いてないんですけど。しかも俺今日大学あるって。」

「え〜･･･。じゃ、また今度ね。」

　そう言って奴はパソコンを起動した。他の小説を更新するのだろう。
　･･･そう言っている間に時間が迫ってきた。早く家を出ることにしよう。

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