あいしてるのことば (Ym × In)

03＊かわった ページ9

それからはまた、指を舐めさせてもらう日々が続き。


唇も、甘いのだろうか。
舌を絡めたら、どんなに幸せな味に襲われるんだろう。


気がつけば、そっち方向のことばかりを考えてしまい。


「……山田、挙動不審なんだけど。」

「ん？そう？」

「だって、なんでフォークなのに美味しい美味しいって俺の作ったもん食べてんだよ。
しかも黒焦げだぞ、それ。」


そう、今俺は、伊野尾ちゃんの家にお邪魔して、伊野尾ちゃんが作ったオムライスを食べているのである。
見た目最悪の、黒い塊を。


「いやー、条件反射っていうか、美味しいって言ってないと怪しまれるから癖になっちゃった。

卵は焦げてるけどご飯は完璧な見た目だし、美味しいんじゃないかな？あとは卵の練習だけだね。」

「そう？」

「うん。また今度食べさせてよ。
って言っても、見た目の講評しかできないけど。」

「ん〜誰に食べさすわけでもないから大丈夫〜。」


片付けるね、とお皿を引き上げていった伊野尾ちゃん。
わあ、なんか夫婦みたいだ。
奥さん見たい、伊野尾ちゃん。


「……頭がおかしい……」

「なんか言ったー？」

「なんもない。」


本当に最近の俺は頭がおかしい。

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