あいしてるのことば (Ym × In)

LAST＊あいしてるのことば ページ33

次の日の、全員の撮影で。
手を繋いで楽屋にやってきた俺たちを見て、みんなは、安心したように微笑んだ。


「いのちゃ〜ん、涼介にえろ同人みたいに襲われそうになったら言うんだよぉ〜！僕がとっちめてあげるからね！」

と。
ぺろり、と、知念が、伊野尾ちゃんの頬を舐める。


「ん〜……やっぱフォークの人しかケーキの甘さってわかんないんだね。


すごいね。特別だね。」

「とくべつ……」


つぶやいた伊野尾ちゃんは、その言葉を噛み締めて大切に抱えるみたいに、はにかんで。


思わず抱きしめると、ひゅーひゅー、と大ちゃんと裕翔くんのへたくそなヤジがはいった。


「やまだ……？っん、ふむ、」


伊野尾ちゃんに口付けて、柔らかい唇を食む。


「…………いつもより、あまい。」


感情によってケーキの人の甘さって変わったりする？
前よりも、もっと伊野尾ちゃんの味も、伊野尾ちゃんも、魅力的になった気がする。


「〜〜っ！！ばか！！！キザ野郎！！！」





俺の都合のいい捉え方かもしれないけど、
それですら、愛しさが溢れて、嬉しいのです。
愛してると囁くのは、人生で一度しか出会えない、逃してしまえばもう二度と会えない、そんな運命の人だけに。


ああそれが、伊野尾ちゃんで、ほんとうによかったと、胸の中がまたあたたかくなった。







【あいしてるのことば_____fin】

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