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@ ページ32

泣いていた伊野尾ちゃんを見つけて、一旦家に連れ帰った。
何も言わない伊野尾ちゃんは、黙って俺に手を引かれて。


家の中に入ると伊野尾ちゃんは、床を見つめていて。


「伊野尾ちゃん、」


びくり、と、伊野尾ちゃんの肩がはねた。


「……俺は、フォークで、伊野尾ちゃんは、ケーキで、
俺は、人を食べることなんて考えられないけど、もしかしたら、なんにも目の前のことが考えられなくなって暴走しちゃうことがあるかもしれない。


だから、伊野尾ちゃんが、もう俺と会ったり、そういうのが嫌なら、俺は、伊野尾ちゃんと離れようと思う。


けど、」


本音を言うと、ずっとそばに居たいんだと。
そう伝える前に、抱きつかれて、言葉を失う。


ぼろぼろと涙を零しているであろう伊野尾ちゃんが、泣き叫ぶように、訴えて。


「食べないで、でも、ずっと、離さないでよ……っ!


すき、やまだがすきなの、ケーキとしてしか必要とされてなくても、それでも、すき、

そばにいて、やまだがしてほしいことなんでもしてあげたいの、

すきなの、だいすきなの、」


胸の中がじわりとあたたかくなって、体がふわふわする。
ぎゅう、と強く抱きしめた。


「離す、わけない……!
ひとりの人間として、伊野尾ちゃんのことが、好きだよ。

……ずっと俺の、そばにいて……」


自然と体が離れて、顔が近づいていく。


触れたのは初めてじゃないはずなのに、今までに感じたことないくらい、あたたかくて、甘い味がした。

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anco(プロフ) - 良すぎました〜!後日談楽しみにしてます☆ (2017年12月1日 19時) (レス) id: 11e9c4165d (このIDを非表示/違反報告)
ひぃψ(`∇´)ψ(プロフ) - いや〜最高です! (2017年11月30日 10時) (レス) id: 510a5838d9 (このIDを非表示/違反報告)
アリー - とっても、おもしろいです!更新頑張ってください! (2017年8月27日 17時) (レス) id: 70a46d44ac (このIDを非表示/違反報告)
りった。(プロフ) - 酢雨様!更新ありがとうございます。ケーキバースのお話なんて中々ないので読んでいて楽しいです。大変だとは思いますが、これからも頑張って下さい、応援してます。 (2017年8月6日 20時) (レス) id: 134476545d (このIDを非表示/違反報告)
はしりん。(プロフ) - 更新待ってましたぁ!(笑)酢雨さんのやまいのはやっぱり癒されます( *´艸`) (2017年8月6日 19時) (レス) id: 0c3d92609c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:酢雨 | 作者ホームページ:___  
作成日時:2017年5月4日 20時

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