V ページ7
Aside
Aはシュウから離れると周りを見渡した。
他の兄達は驚きのあまり固まっているようだ。
「お前…A…か？」
口を開いたのはアヤトだった。
何年も会っていなくて顔すら忘れかけていたが、それを思い出せば名前は自然と出てきた。
『アヤト兄様もぎゅーってして』
「お、おう」
戸惑いながらもしゃがみ、Aを抱き締めるアヤト。
彼女は兄達に会えて心から嬉しいと思っていた。
思っていたのだが、何年も笑っていない所為だろうか。
少し笑口角を上げるだけで、笑顔とは言い難いものであった。
しかし兄達は本当に驚いていてそれどころではなかった。
軈て彼女はアヤトから離れるとカナトに近寄った。
『テディ。久しぶり！ ふふっ』
自分の持っているウサギのぬいぐるみとカナトのテディとで話しているらしい。
皆が黙り、その様子を見守っていたが、シュウがその沈黙を破った。
「おい、A。なんで今更出てきた？」
Aから見たシュウは少しだけ怒っているように見えた。
そして彼の方を向くと、彼女の少しだけの笑顔が消えた。
再び沈黙が続く。
急にAはぶわっと涙を流し始めた。
その様子に兄全員が驚いたが、Aは泣き声で言う。
『私が、戻ってきては……ダメ…なの？』
こんなに可愛いく、綺麗な妹だ。
泣く姿も綺麗だったろうが、そんな妹を泣かせて放っておく兄などいないだろう。
「…はぁ。 そこまでは言ってない。こっちに来い」
そう言ったシュウに駆け寄り、彼にダイブするA。
「相変わらずAはシュウが好きなんですね」
カナトが少し不貞腐れたように言う。
『…カナトお兄様も好き』
シュウを抱き締めたままAはポツリと言った。
それに続けるようにAが口を開く。
『……そこにいる人、美味しそう…』
その言葉を聞きユイはそこから逃げ出したい気持ちになっていた。
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しゅり(プロフ) - 続きが気になります！更新楽しみに待ってます！ (2021年2月12日 17時) (
レス) id: 2d9e53b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユッパ - いえいえ、こちらこそ！ とても、面白いですよ。応援しています。 (2019年9月13日 20時) (レス) id: 707a9255af (このIDを非表示/違反報告)
凛猫(プロフ) - ユッパさん» 応援ありがとうございます！ 出来るだけ早く更新できるよう努力致しますので、次の更新まで少々お待ち下さい！ 読んで下さりありがとうございました！ (2019年9月2日 20時) (レス) id: 18f542a8ee (このIDを非表示/違反報告)
ユッパ - 続きが気になります。更新、頑張ってください！ (2019年9月2日 17時) (レス) id: 707a9255af (このIDを非表示/違反報告)
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