-you ページ14
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「君は…この前のペンキの子だよね?」
「…ペンキの子?」
「あの、ペンキ選んでた子」
f「すっげぇー、ざっくりだな笑 でも、
覚えてくれてて嬉しい。俺、藤ヶ谷太輔。」
「ふじかや…くん」
f「ん」
初めて知った彼の名前。
どんな漢字で書くのか、
この時はそれさえも分からなかったの。
「すごいかっこいい名字だね」
f「そ?珍しいでしょ?」
「うん、初めて聞いた。」
f「初めて?」
「…え?うん、初めて」
f「そっか」
なぜかふじがやくんは嬉しそうに笑う。
「あ、 私は」
f「知ってるよ?Aちゃんでしょ?」
「…え?うん
でも、どして…」
f「あー、友達がさ、この前教えてくれたんだ」
「あー、そうなんだ!」
f「よろしくね、Aちゃん」
彼は女の子と喋るのになれているのか、
または、コミュ力が高いのか、
さわやかに笑って
何のためらいもなく手を差し出す。
「こちらこそ、
よろしくね?ふじがやくん」
私も負けじと手を握りかえして笑い返す。
互いの名前を初めて知った日。
後に、私たちの間で何度も話題に挙がる
この日はこんなふうに始まりを告げた。
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作者名:れんり。 | 作成日時:2019年6月9日 11時