10〈宮中の天女〉 ページ10
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久しぶりの調薬に心が躍る。
猫猫なんて顔に「楽しみ」と書いてある。
壬氏様がそれをどう使うかは知らないが…
『時間と材料と道具さえあれば』
「準ずる物なら作れます」
この機会を逃すわけにはいかない。
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壬氏side
「あら壬氏様、これからどちらへ?」
「(今度は中級妃か)
宮廷へ戻る所ですが何か用でも?」
「いえ…。あのっ、よければ部屋でお茶を」
「ははは、仕事が残っていますので失礼します
(殿中では文官に声を掛けられ武官には催淫剤入りの
果ては下級妃が二人に中級妃が一人か…
帝の御通りがないからと他の男を寝所に引き入れようなんて、不心得も甚だしい)」
妃の位は家柄に加え美しさ、賢さを基準に選ばれる
中でも賢さが一番難しく、国母に相応しい教養に加えて貞操観念が必要だ。
「(私の存在こそが女官の試金石だと、籠の小鳥たちは幾人気付いているのだろう
選定のために私を後宮に置くとは…吾主も意地の悪いことを考える)」
皇帝にはこれまでに二人の妃を推薦した。
思慮深く聡い玉葉妃
感情的な面もあるが、誰よりも上に立つ気質を持つ梨花妃
帝に対し邪な感情が見当たらないどころか、梨花妃に至っては心酔の域に達していた。
しかし…今後寵愛は玉葉妃に傾き続けるだろう。
痩せ細った梨花妃のもとに通ったのは、東宮が亡くなられた時が最後だった。
自分と国に都合のいい妃を揃えさせ、子を産ませ、その能力がなければ切り捨てる
「(吾主ながら酷い方だ)」
必要がなくなった妃は通常実家に帰されるか、官に下賜される
「(そういえば下級妃が一人武官に下賜される予定だったな
なんにせよ計画通り事を運べば問題はない。
それにはあの薬師達の協力がいくらか占めているかもしれないが…
あれらは思った以上に使える
本人達は上手く隠しているつもりなんだろうが、あの毛虫でも見るような目
欲 情してこない人間もいくらか見てきたが、あんな目で見られたのは初めてだ
新しい玩具を手に入れた気分だ)」
ふと、机においてある包子に目をやった。
____『今晩あたりに訪問が…』
Aに言われた事を思い出し、念のため部屋の鍵を掛けておく。
「(今後どうなることやら)」
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マニ。(プロフ) - センバヅルさん» ✉️。有難うございます!!あのゼンバヅルさんの方のボードにボード返事しましたので通知来てると思います、ボード返事待ってますね! (1月6日 21時) (レス) id: 41ef0d9a5c (このIDを非表示/違反報告)
センバヅル(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!ボードで会話、ぜひやりましょう!!いつしましょうか、お返事お待ちしていますね。更新頑張ります^_^ (1月6日 21時) (レス) id: 9774232d7d (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - センバヅルさん» ✉️。こんにちは、いつも作品見ています。もしよろしければボードで一緒に会話しませんか?お返事お待ちしています、更新の方も無理せずに頑張ってください☺️ (1月6日 21時) (レス) @page1 id: 41ef0d9a5c (このIDを非表示/違反報告)
センバヅル(プロフ) - なななさん» 明けましておめでとうございます〜!今年も引き続きよろしくお願いします(*^^*)更新頑張りますね! (1月1日 1時) (レス) @page21 id: 9774232d7d (このIDを非表示/違反報告)
ななな - 新年おめでとうございます!いやあああ…2024年ですか〜これからも応援してます! (1月1日 0時) (レス) @page16 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:センバヅル | 作成日時:2023年12月27日 18時