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「不思議だ。君たちは字が読めないことになっているんだがね」
「はい、卑賤の生まれでして。なにかの間違いでは」
「銀髪の女の方はそうは見えないがな」
『……(だって…サラシを巻こうにも苦しすぎて…そばかすを書くのも皆に禁止されてたし…)』
ていうか、なんで壬氏様?に文のことがバレてるの?
文を置くときは周りに十分注意したし…
もしかして、あのときの会話が聞かれてた…?
だとしても…下女まで集めて調べるなんて…暇人なの?
とまあそんな事を考えているといつの間にか目的の部屋に着いたようで。
「失礼します」
「どうぞ」
「かの者たちを連れてまいりました」
「手数かけました」
玉葉妃が微笑んだ。腕には彼女に似た可愛らしい女の子が眠っている。
あの文を読んでくれたみたいだ。
すると突然、玉葉妃が私達に頭を下げた。
「!?」
『そのようなことをされる身分ではございませんっ!』
「いいえ、私の感謝はこれだけではありません。あなた達はやや子の恩人ですもの」
「人違いではありませんか?…何か勘違いをされているのです」
「コホン、玉葉妃からあるものをお預かりしている」
壬氏様はそう言うと、懐からあるものを出してきた。
…、私が服を破って書いた文だ。
「これが、下女の仕事着に使われる布だと知っているか?」
『…そういえば似ていますね』
「ああ。尚服に関わる下女用のものだ」
『……(非常に不味い)』
「
「(ここまでバレては仕方ないか)」
『(…諦めよう)』
あの日、事件の真相に気付き二人の妃に文を送った。
猫猫は梨花妃に、私は玉葉妃に。
「簡単な話です。毒を含む後宮白粉を使わなければいい」
『私達の育った花街でも、高級白粉を使っている妓女は多く居ました。
そして殆どが、この白粉に含まれる毒に身体を蝕まれ命を落としました』
私達はただ、そんな簡単なことをしなかった高級妓女を見たことがあっただけ。
命と美貌を天秤にかけ、結局どちらも失って逝った彼女たちを覚えていただけのこと。
「元は薬屋でしたので。…Aは妓女もしていましたが」
『…それで、私達は一体何をすれば…?』
「え〜、それでは!今日から私の侍女になってもらいます!」
「はっ…?はぁ」
…まあいわゆる出世である。
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マニ。(プロフ) - センバヅルさん» ✉️。有難うございます!!あのゼンバヅルさんの方のボードにボード返事しましたので通知来てると思います、ボード返事待ってますね! (1月6日 21時) (レス) id: 41ef0d9a5c (このIDを非表示/違反報告)
センバヅル(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!ボードで会話、ぜひやりましょう!!いつしましょうか、お返事お待ちしていますね。更新頑張ります^_^ (1月6日 21時) (レス) id: 9774232d7d (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - センバヅルさん» ✉️。こんにちは、いつも作品見ています。もしよろしければボードで一緒に会話しませんか?お返事お待ちしています、更新の方も無理せずに頑張ってください☺️ (1月6日 21時) (レス) @page1 id: 41ef0d9a5c (このIDを非表示/違反報告)
センバヅル(プロフ) - なななさん» 明けましておめでとうございます〜!今年も引き続きよろしくお願いします(*^^*)更新頑張りますね! (1月1日 1時) (レス) @page21 id: 9774232d7d (このIDを非表示/違反報告)
ななな - 新年おめでとうございます!いやあああ…2024年ですか〜これからも応援してます! (1月1日 0時) (レス) @page16 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:センバヅル | 作成日時:2023年12月27日 18時