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ついに芙蓉妃が下賜される日が来た。
「私にくらい話してくれてもいいんじゃないかしら?」
玉葉妃が微笑む。
私も負けじと笑い返した。
『あくまで推測ですので、気分を害されないでくださいね』
「自分で聞いておいて腹は立てませんよ」
『他言無用であれば』
「口は堅くってよ」
『…先日お話した妓女の他に、もう一人同じように夢遊病で身請けが破談になった妓女がいました
しかしその妓女には新たな身請け話が持ち上がったのです
楼主は「病の妓女を身請けさせるなんて忍びない」と断りましたが
それでも相手は身請けを申し込み、前の身請けの半分の銀で契約が成立しました。
しかしこれは詐欺だったのです』
「詐欺?」
『はい。先に身請け話を持ちかけたのは、身請けをした男性の知り合いでした』
妓女が病のふりをして一度は破談にする
その後、本命の男が半額で身請けする
妓女には年季があり、男性には銀が足りなかった。
「つまりその妓女と扶養妃は同じということ?」
『あくまで推測です』
一武官は姫に求婚できる立場ではない。
ゆえに、武勲を立てていつか姫を迎えに行くつもりだった。
しかし姫は後宮に入ることになる。
武官を思う姫は得意の舞踏をわざと失敗し、皇帝の気を引かないようにした。
目論見通り夜伽はなく、身は綺麗なまま。
武官が武勲を集め芙蓉妃の下賜が決まると、姫は怪しげな徘徊をするようになる。
間違っても御手付きにならないように、皇帝が他人のものになる姫を惜しまないように…
好色な帝が武官がそこまで望む姫に興味を持たないとは言い切れない。
御手付きがあれば下賜されるのは後になる。
また純潔を重んじる芙蓉妃は、夜伽を行った時点で幼馴染みに顔向けできないだろう。
「芙蓉妃が羨ましいなんて行ったら、私はひどい女かしら」
帝が玉葉妃の元に訪れるのは数日に一度。
来ない日は公務が忙しい場合だけではない。
…多くの子を残すことは帝の義務でもある。
『…そんなことはないと思います』
この場にいる誰もが幸せな光景に羨望している。
東門で踊っていたのは、東方から遠征で戻ってくる幼馴染みの無事を祈っていたのかもしれない。
あの夜の芙蓉妃は飛び抜けて美しかった……あれの正体は恋だったのね。
___恋が女性を美しくするのなら、それは一体どんな薬になるだろう。
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マニ。(プロフ) - センバヅルさん» ✉️。有難うございます!!あのゼンバヅルさんの方のボードにボード返事しましたので通知来てると思います、ボード返事待ってますね! (1月6日 21時) (レス) id: 41ef0d9a5c (このIDを非表示/違反報告)
センバヅル(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!ボードで会話、ぜひやりましょう!!いつしましょうか、お返事お待ちしていますね。更新頑張ります^_^ (1月6日 21時) (レス) id: 9774232d7d (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - センバヅルさん» ✉️。こんにちは、いつも作品見ています。もしよろしければボードで一緒に会話しませんか?お返事お待ちしています、更新の方も無理せずに頑張ってください☺️ (1月6日 21時) (レス) @page1 id: 41ef0d9a5c (このIDを非表示/違反報告)
センバヅル(プロフ) - なななさん» 明けましておめでとうございます〜!今年も引き続きよろしくお願いします(*^^*)更新頑張りますね! (1月1日 1時) (レス) @page21 id: 9774232d7d (このIDを非表示/違反報告)
ななな - 新年おめでとうございます!いやあああ…2024年ですか〜これからも応援してます! (1月1日 0時) (レス) @page16 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:センバヅル | 作成日時:2023年12月27日 18時