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「媚 薬の注意点ですが効き目が強いので一粒ずつを目安にお願いします
食べ過ぎると血が回り過ぎて鼻血が出ると思いますので」
「そんなに効くなら帝のためにも作って貰おうかしら、
『いつもの強壮剤の三倍は効くと思いますけど…』
「三倍……持続のほうかしら…」
『(……聞かなかったことにしよう)
ということですので、使用する際は意中の相手と二人きりの時にしてくださいね』
「そうか」
壬氏様は媚 薬を懐にしまい、立ち上がる。
すかさず高順さまが「おかえりですか?」と聞くと肯定の返事が返ってきた。
「それでは私もこれで…失礼します」
壬氏様達に続いて、玉葉妃も帰っていった。
やっと終わった…、と一息つこうとした瞬間、後ろに人の気配がした。
その人は、私の肩をつかみ髪を掬う。
「手を煩わせたな」
その人の正体は壬氏様だったようだ。
彼は続けて私のうなじに口付けをして、「ありがとう」と言うと部屋を去っていった。
猫猫から聞いた話だと、あの後、私は暫く固まっていたそうだ。
そして壬氏様は
…私以外に被害者がでなくて良かったと、心の底から思ったのだった。
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「ってことがあったらしくて」
「最近よく聞く白い幽霊でしょうか」
「やっぱりそう思う!?私もあそこ通るのにな〜!」
ここ一ヶ月、夜な夜な城壁の上で女の霊が踊っているという噂をよく耳にする。
後宮は城壁と堀に囲まれていて、四方の門以外からは出入りができない。
門は二重で、内側に宦官、外側に武官が二人ずつ見張っている。脱走も侵入も不可能だ。
塀の向こうの深い堀にはかつて後宮から出ようとした妃が沈んでいると言われている。
まあ、今回の噂も後宮では珍しくもない怪談話だと、私と猫猫は思っている。
『薬を見せてもらえませんか?』
「ああ嬢ちゃん達、ちょっと待ってな」
この前の医官さま、私達が薬を作れると分かったからか、少しは歓迎されているみたいだ。
材料を分けてくれるのも、こうやって来たときにお茶を入れてくれるのも有り難い。
だけど…仕事ができないそうで。ちょっと残念……。
「お茶が入ったよ」
『わっ、お煎餅!ありがとうございます!』
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マニ。(プロフ) - センバヅルさん» ✉️。有難うございます!!あのゼンバヅルさんの方のボードにボード返事しましたので通知来てると思います、ボード返事待ってますね! (1月6日 21時) (レス) id: 41ef0d9a5c (このIDを非表示/違反報告)
センバヅル(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!ボードで会話、ぜひやりましょう!!いつしましょうか、お返事お待ちしていますね。更新頑張ります^_^ (1月6日 21時) (レス) id: 9774232d7d (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - センバヅルさん» ✉️。こんにちは、いつも作品見ています。もしよろしければボードで一緒に会話しませんか?お返事お待ちしています、更新の方も無理せずに頑張ってください☺️ (1月6日 21時) (レス) @page1 id: 41ef0d9a5c (このIDを非表示/違反報告)
センバヅル(プロフ) - なななさん» 明けましておめでとうございます〜!今年も引き続きよろしくお願いします(*^^*)更新頑張りますね! (1月1日 1時) (レス) @page21 id: 9774232d7d (このIDを非表示/違反報告)
ななな - 新年おめでとうございます!いやあああ…2024年ですか〜これからも応援してます! (1月1日 0時) (レス) @page16 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:センバヅル | 作成日時:2023年12月27日 18時