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「形は杏仁に似ているが、匂いは独特だな。これはなんというのだ?」
壬氏様がそれをつまんで匂いを嗅ぐ。
『西のさらに西の南方にある
「足りないのなら用意すればいいだけのことだ
交易品を探せば見つかるだろう」
『本当ですかっ!』
「ああ。そんなに嬉しいのか?」
『はい、とっても…!』
「…媚 薬を作るだけだからな」
猫猫に釘をさされた。…何故。
*
「手に入ったのは粉末状の可可阿か」
『これだけあれば十分だね』
可可阿は数回食べたことがある。
お客様からもらった「
頭がフワフワしているような、不思議な感覚だった
後に媚 薬を盛られていたことが分かり、その客は出禁になっていたが。
ただ、ソレは花街の薬屋には縁のない高級品だったので薬として取り扱うことはなかったそうだ。
『(いくつもの薬や毒物の匂いと味を覚えていると、食に関する記憶も鮮明だ
あのときの
「よし、早速始めるか」
『うん』
まず手始めに可可阿の粉と砂糖を鉢へ移す
あとは低めの湯煎にかけながら、なめらかになるまでひたすら練る
それが終われば、牛乳や蜂蜜、蒸留酒を入れ味や固さを調整していく
最後に香草油で香りを付けよく混ぜればタネは完成だ
「こんなもんかな」
『あとは固めるのに氷があれば完璧なのだけれど…』
「この暑い季節にそれはムリだろうな」
『…となると使えそうなのは……あれくらいだね』
素焼きの水瓶を用意し半分ほど水を張る
蓋をすれば水の蒸発により内部は外気より涼しくなる、という仕組みだ。
「ぎりぎり油脂が固まる温度だろう」
『…うん、大丈夫そうだね』
小さく切った果物をタネに浸し、お皿に並べたら水に浮かすように壺の中にしまう
蓋をかぶせ菰で隠せば…あとは待つだけだ
『(まあ、おの御方が来る頃には固まるだろう)』
「少し余ったなあ…後で食べるか」
『えっ、本当!?』
「……Aは少しだけな」
『え〜…』
「(Aは何故か媚 薬に耐性がないからな…
そこら辺の奴よりはあるだろうが…あの顔は他人に容易に見せていいもんじゃない)」
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マニ。(プロフ) - センバヅルさん» ✉️。有難うございます!!あのゼンバヅルさんの方のボードにボード返事しましたので通知来てると思います、ボード返事待ってますね! (1月6日 21時) (レス) id: 41ef0d9a5c (このIDを非表示/違反報告)
センバヅル(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!ボードで会話、ぜひやりましょう!!いつしましょうか、お返事お待ちしていますね。更新頑張ります^_^ (1月6日 21時) (レス) id: 9774232d7d (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - センバヅルさん» ✉️。こんにちは、いつも作品見ています。もしよろしければボードで一緒に会話しませんか?お返事お待ちしています、更新の方も無理せずに頑張ってください☺️ (1月6日 21時) (レス) @page1 id: 41ef0d9a5c (このIDを非表示/違反報告)
センバヅル(プロフ) - なななさん» 明けましておめでとうございます〜!今年も引き続きよろしくお願いします(*^^*)更新頑張りますね! (1月1日 1時) (レス) @page21 id: 9774232d7d (このIDを非表示/違反報告)
ななな - 新年おめでとうございます!いやあああ…2024年ですか〜これからも応援してます! (1月1日 0時) (レス) @page16 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:センバヅル | 作成日時:2023年12月27日 18時