12/02 *夜 ページ2
今日は彼の帰りが遅いみたいね。
もう、十二時よ。
そんなに無理はしないでほしいの。
このまま、彼のいない夜を迎えるなんていや。
『あなた、彼の事、好きなのね』
いきなり、話をかけてきた、女。
昨日彼が連れてきた、女。
『余所者が私たちの間に入ってこないで』
こんな女、なんで連れて来たのかしら。
『ふふっ、むきになっちゃって……。でも……無理よ。彼はあなたのことをそんな目で見ていない。ていうか、見れない』
私、この女、嫌いだわ。大っ嫌い。
『私、あなた嫌いだわ』
私の前から消えればいいのに。
『そう? 最高の褒め言葉ね』
周りの空気が全てなくなってしまいそう。
睨み続ける中、女は笑うだけ。
『私の前から消えて。これは命令よ、先住民からの』
『あなたが居なくなればいいのでは?』
『命令って言ってるでしょ』
生意気。
こういうやつがいると、とても奪いたくなってしまうの。
そいつの幸せを。
「ただいまぁー」
『!』
彼が帰ってきた。
私、待ってたの、ずっと。
甘えるように、彼に近寄る。
「お、A。ずっと待ってたのか? 悪いな、寂しくさせちゃって」
全然いいの。あなたがいるだけで。
「お前も、お留守番ご苦労様」
そう言って、女を撫でる。
……彼は私だけでいいのよ?
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