お熱確定(桃×青) ページ12
(桃)
っくしゅ！
と可愛いくしゃみが聞こえてきて目が覚めた。
ぽけっ〜としつつも寒いからか縮こまってる流星の髪を撫でる。
『おはよ、』
「…はよ、……っくしゅん！」
『風邪ひいてもうた？』
「…ん〜………」
ぴとっと首元に手をやるといつもよりも熱い体温。
目を合わせれば瞳は少し濡れててとろんとしてる。
…お熱確定、かな。
『体温計取ってくるな？ちょっと待ってて』
また髪を撫でて、リビングへ体温計を取りに行くと遠くから小さく咳も聞こえてきた。
これはしんどいパターンやなあ…と思いつつ寝室へ戻れば泣きそうな顔をしてる流星。
『流星どうしたん？しんどい？』
できるだけ優しく問いかければ、もうこぼれ落ちそうなほどに綺麗な瞳に涙が溜まっていく。
「……熱、あるかも。……今日ディズニー行きたかったのに、……ごめん、」
遂にこぼれ落ちてしまった涙。
以前から今日は天気が良くて、体調が大丈夫そうやったらディズニーに行こうと約束していた。
この間仕事で行ったディズニーがあまりにも楽しかったらしくて、「望と一緒に行きたい！」ってお誘いしてくれててん。
「……ごめん、楽しみにしてたのに………」
ひっくひっくと泣き出した流星を一旦起こして抱きしめる。
落ち着かせるようにゆっくりと背中を撫でながら。
『大丈夫やで？ディズニーはまたいつでも行けるから、な？』
「…っぐす、でも、」
『楽しみにしてたし、ずっとずっと行きたい〜って言うてたもんな？』
「…ん、……望と、行きたかった」
『ふふ、もうその気持ちだけで満足出来ちゃうくらい嬉しいわあ』
「………、…体調気をつけてたのに」
ここ最近一段と寒くなってたから、風邪をひかないようにと気をつけてたことは十分に伝わってた。
でも今日はこの冬で一番寒い日。
窓の外は真っ白の雪景色。
もし行ってたとしても、寒すぎてすぐ帰ることになってたかもしれへん。
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作者名：流優
| 作成日時：2022年10月12日 20時
