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(赤)







流星の車に乗せられてからはほとんど寝てしまっていて、気がついたら自宅の前に着いていた。


「鍵出せる?」


また熱が上がってきたんやろうか、頭がふわふわしてる。


『カバンのポケットにある…』


「ん、ありがとう。カバン開けるで?」


こくんと頷くと鍵を取り出してガチャと扉が開いた。


いつも一人で帰ってくる家に流星も一緒にいるのが不思議。


自宅に帰ってきた安心感からか、一気に身体が重たくなってくる。


「……しんどそうやな、寝室どこ?」


指をさして伝えると、ひょいっと抱き上げて優しくベッドに下ろされる。


「シワになるから、スーツ脱がせるで?」


もう意識が朦朧としていて、とりあえず頷いたらささっと脱がしてくれて、どこからかパジャマを持ってきて着せてくれた。


……もう、限界。


「よう頑張ったな、おやすみしげ」


流星の落ち着く安心する声を聞いて、意識を失うように眠りについた。









日差しが眩しくて目が覚めた。


まだ重たい頭、でも気持ち悪さはずいぶんなくなっていて、ただ身体がダルい感じがするだけ。


…熱はありそうやけど。


喉が乾いたなと思い起き上がろうとすると、サイドテーブルに水が置かれていて、流星の優しさを感じる。


そういえば流星はどこで寝たんやろう…


ベッド1人で使っちゃってたし…


リビングへ向かうが姿が見当たらない。


………もしかして、帰っちゃった?


トイレにも、お風呂にも、いない。


今日何か用事があったのかもしれへん…、そう思うけどやっぱりなんか寂しくて。


きちんとお礼も言えてないまま。


風邪の時のあの無性に寂しい感じが襲ってくる。










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作者名:流優 | 作成日時:2021年10月31日 17時

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