可愛い子犬みたい(橙×青) ページ25
(橙)
「あきと〜」
『んーもう、どうしたん？』
「ふへ、なんもなーい」
さっきからずっとこの調子。
何がそんなに嬉しいのか、にこにこ笑顔で俺の名前呼んではなんもなーいのくり返し。
…こんなんイライラしそうって思われてそうやけど、意外と大丈夫やねん。
流星がふへへって楽しそうに笑ってるの見たらなんでも許してまう。
2人で韓国ドラマを見てたはずやのに、気付けば流星は俺の方を向いてお膝の上にゴロン。
…もう見る気ないやん。
と思いつつ可愛らしいなあと頭を撫でれば、頭を撫でていた手が捕まえられて、ぴたっと自分のほっぺに引っ付けてきた。
そのままほっぺをつつけば、むくうっとほっぺを膨らませる。
楽しそうに笑いながらきゅるきゅるな目で見上げてくる流星。
なんか可愛い子犬みたい。
『りゅう、今日の夜は何食べたい？』
「…んー、照史が作ってくれるん？」
『作ろうかなーと思ってるで』
「へへ、照史が作ってくれるならなーんでも好き」
むくっと起き上がってぎゅうっと抱きついてくる。
抱きしめ返せば嬉しそうにより一層引っ付いてくる。
『ははっ、めっちゃ嬉しいこと言うてくれるやん』
「だって照史のご飯美味しいんやもんー」
『じゃあ今日は張り切って作らなあかんな〜』
「張り切らんでええよー？いつも美味しいもん！それに………」
急に目をうるませて言葉を詰まらせる。
『流星どうしたん？』
不安そうにしてる流星の手をぎゅっと握ってあげれば、握り返してくれた。
「……いつも照史にばっかり、ご飯作ってもらってるから、…………負担、じゃない？」
『そんなん気にせんでええんよー？元々自炊してたし、流星が美味しいって言いながら食べてくれるん嬉しいねん。流星だって俺が帰るの遅い時とか作ってくれるし、洗濯と掃除いっぱいしてくれてるやん』
安心させるようにふわふわと頭を撫でて抱き寄せれば、
「照史、すき。優しくてだいすき」
ってちっちゃい子みたいにゆっくりゆっくり伝えてくれた。
『ふは、可愛いなあ。俺も作りたくない時は作らへんし、ほんまに気にせんといてや？』
「…ん、ありがとう」
それからじゃあ今日は2人で作ろっか？なんて提案をして、一緒にキッチンに並んでご飯を作ることに。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 267人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：流優
| 作成日時：2021年10月31日 17時
