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(桃)
『すぐ戻ってくるから。すぐそこのキッチン行くだけやからな?お水飲まへんと喉痛なってまうよ?』
「……すぐ、帰ってきてくれる?」
『ん、すぐ戻ってくる。やからちょっとだけ待ってて?』
もう一度ぎゅっと抱き寄せてから頭を撫でて、キッチンで浄水器から水を注いですぐに流星の元に戻ると、安心したような顔をした流星。
『ふふ、お水飲み?』
「…ありがと」
両手でコップを持って少しずつ飲んでくれた流星にえらいえらいって頭を撫でれば嬉しそうに笑った。
「……………あんな、さっき、さみしかった」
『ごめんな。もっと早く出てきたらよかったな?』
「…でも、望は間違ってないもん…。俺、ほんまに体調悪なってしまったし…………」
『頑張ってる流星のこといっぱい応援したいんやけど、たまに頑張りすぎちゃうから心配なってしまうねん』
「…ん、」
『やから、こんなにしんどくなる前に次から言ってくれたら嬉しいな。酷くなる前にちょっとだけ休もう?そしたらまたいっぱい頑張れるで?』
「…わかった、ちゃんと言う」
『ふふ、ほんまにええ子やなあ流星は』
ぽすんと身体を預けてきた流星の頭を撫でる。
安心したのか少しだけ眠たそうにしてる。
『お薬飲む?』
「んーん、望と一緒に寝たい」
なんか回答が的を得てない気がするけど、まあいいか。
『よし、じゃあベッド行こ』
俺の首元に自然に手を伸ばしてきた流星を抱き上げて運ぶ。
そっとベッドへ寝かせて、お布団をかぶせてあげると、
「……トントンして?」
『ふふ、はいはい』
背中をとんとんされながら寝るのが好きみたいで、甘えんぼさんの時はお願いしてくるねん。
…流星はしんどい時は素直に甘えてくれるからほんまに可愛い。
しばらくすると可愛らしい寝息が聞こえてきた。
前髪を少しだけ掻き分けてちゅっと口付けて、
『早く元気になってな』と寝てる流星に伝えてゆっくりと目を瞑った。
end.
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作者名:流優 | 作成日時:2021年10月31日 17時