ひたすら愛される流星くん３ (ページ37)

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(紫)

あの後緊急で病院に搬送されることになり収録を中断してもらった。

ほとんどのメンバーは次の仕事が入ってて、流星はラジオ収録の予定やったけど照史が代わりに行ってくれることになった。

奇跡的にその後に仕事がなかった俺だけが病院に向かうことに。

ほんまにたまたまやけど、仕事入ってなくてよかった。

「濵ちゃん、流星のこと頼んだで」

そう照史に言われて、強く頷いた。

マネージャーと病院に向かう車の中、流星は大丈夫なのかと焦る気持ちと昨日無理せんようにもっと強く言うべきやったと後悔が押し寄せてくる。

責任感が強いし、元々あまり誰かを頼ることがない流星。

自分が頑張りすぎてることにも気づいてなかったように思う。

…ほんまに、俺は何してたんやろうか。

病室に着いて手続きを済ませ、深呼吸してから流星がいる病室の扉を開ける。

点滴やらなんやらが腕に繋がれていて痛々しい流星の姿。

あまりにも綺麗に目を閉じて眠っている。

『…ごめんな、こんなことになってしまうまで助けられへんくて』

小さく話しかけたこの言葉は聞こえてるんかな？

しばらく流星を見つめているとお医者さんが病室へ入ってきて、「藤井さんですが……、」

その言葉から始まったお医者さんからの話は衝撃的なものばかりやった。

突発性難聴。それに伴う目眩と吐き気。

原因はストレス、過労、寝不足。

食事もあまり取れておらず貧血気味。

………、思い当たることしか無かった。

流星が一生懸命頑張ってくれてるのは分かってた。

だからこそ止められへんかった。

でももっと助けてあげるべきやった。

何か俺にもできることがあったはずやから手伝うべきやった。

無理してるの分かってたから多少強引にでも休ませればよかった。

……結果、流星に色々と背負わせすぎてたんやな。

悔しくて悔しくて涙が滲む。

…俺が泣いてどうすんねん。

それからマネージャーはほかのメンバーの為に現場に戻ることになり、病室には俺と流星の2人きり。

恐らく右耳の方が聴こえにくそうやから、左側に腰かけた。

夕陽に照らされる流星は、このままずっと目を覚まさないのではないかと思うくらい、消えてしまいそうで儚く見える。

握り続けている手は未だに反応はない。

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