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(紫)
次の日、今日は歌番組の収録。
7人揃っての仕事が続くのは楽しくて嬉しい。
みんな揃ってるけど……あれ、流星がおらん。
『あれ、流星まだ？』
緑「打ち合わせしてから来る言うてたよ」
『え、昨日もそうやったはずやで？』
緑「そうなん？ちょっと頑張りすぎやな…」
神ちゃんと話してると、少し眠たそうな流星が入ってきた。
「おつかれ〜」
手にはパソコンと安定の缶コーヒーを持ってる。
『また打ち合わせしてくれてたん？ありがとうな』
メンバー全員が流星にありがとうと伝えると、流星は可愛らしくはにかんで全然！と元気よく返事する。
でも明らかに顔は疲れていて、全員がなんとなくそれを感じてる気がした。
リハーサルが始まっていつもの様に楽しく歌って踊る。
ただ流星が右耳のイヤモニを何度も直してるのが気になった。
たまに少し音がズレたり歌いづらそうにしてるから、一旦ストップ。
スタッフ〈藤井さん、イヤモニ聞こえてませんか？〉
「…なんか右が聞こえづらくて、イヤモニ調子悪いのかもしれないです。でも大丈夫です！もう1回お願いします」
流星がそう言ってから、もう一度踊りながら歌ってた時、急にドンッと鈍い音。
桃「流星っ、！！！」
後ろで踊ってた流星が頭を抑えながら倒れてる。
一気に現場に緊張感が走って、空気が変わった。
すぐに駆け寄り声をかけるがあまりにも苦しそうで。
近くで倒れる瞬間を見ていた望としげは動揺してるのか固まってしまったり、泣きそうになっていたり。
2人にはすぐに神ちゃんと照史が声をかけに行ってくれた。
『流星大丈夫か？どこが痛い？』
上手く話せないのか、答えられないのか。
起き上がれたものの頭を小さく横に振るだけで返事が返って来ず、苦しむ流星を落ち着かせるように声をかけることしか出来ない。
眉をひそめて口元に手をやったから、吐きそうなんやろう。
黄「すみません！ゴミ箱か袋ありますか？」
冷静な淳太の呼び掛けでスタッフさんが色々と用意してくれた。
「……おぇ、……っう、げほ」
苦しそうにほとんど胃液とも思えるようなものを吐き出して、ぽろぽろと涙を零す。
しばらく背中を擦っていると落ち着いたのか、袋から顔を離した。
タオルで口元を拭いてあげると、また弱々しく微笑む。
無理矢理な笑顔が見てられへんくらいに辛い。
そのままふわっと床に倒れていくように流星が意識を失った。
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作者名：流優
| 作成日時：2021年6月28日 5時
