異性として ページ6
「俺達の家に住む事に何か文句あんの?」
ニコニコと笑いながらも不機嫌そうな声色で蘭ちゃんは私の顎を掴む。
心なしか顎の骨が小さく軋んでいる。今日で私の顎がなくなるかもしれない…。と生涯大半の人はしないであろう覚悟を決めるとじっと蘭ちゃんを負けじと見つめ返す。
蘭ちゃんは私の反応にきょとんとして顎を掴む手の力を緩め、首を傾げた。
「今わりと顎砕くつもりで力込めたんだけど、怖くねーの?」
「怖くないわけ無いよね…。でも引くに引けなかったから…顎がなくなる覚悟を決めただけだよ」
「つか、何でそんなにうちに来んの嫌なんだよ。」
ふと横から竜君が素朴な疑問を私に投げ掛けてくる。
それに対して私は聞くまでもないだろうと思いつつ、素直に解答する。
「そりゃ…流石に2人は男の人だし…同じ家で暮らすのはちょっと…」
そう告げると2人は一瞬呆気に取られた後2人で笑い出す。
「あぁ、Aは俺達に襲われると思って怖くて嫌がってたんだ?笑」
「わりーわりー、全然気付かなくて笑つか今更お前に何かしたりしねーから完全にお前気にし過ぎ笑」
「えぇ…。その反応はそれはそれで傷付く…。」
私は本気で考えていたが故に2人の反応に何とも言えない気持ちになる。
2人はそもそも私を異性として認識してないって事だ、幼馴染なんてそんな物、と言えばそうだけど、流石に傷付く。
はぁ、と深い溜息をつくと悪い悪いと笑いながら謝る2人。
何かもうどうでも良くなって来ちゃったな…。
「2人が全く気にしてないのもわかったし、何かもう良いよ…。2人の家でも…。」
「そーだろ?最初からさっさと素直に頷いてれば良かったのによ〜笑」
「とりあえずAは必要最低限の物鞄か何かに纏めな。そんであといらない物は処分しちまうから。」
「着替えとかも別に俺等が買い足してやるからマジ必要なモンだけ詰めろ。んで準備出来たら行くぞ。」
「行くって何処に?」
「決まってんだろ。」
「此処が2人の家……???」
「そ〜眺め結構良いだろ?こっからの景色わりと気に入ってんだよ」
あのあと言われるがまま最低限の荷物を纏めてそのまま車に乗り、連れられるがまま着いてきた先は2人が住んでいるタワーマンションの一室だった。
「部屋いくつあるの?」
「4。俺と兄ちゃんの部屋、あとは大した使ってねーからAに一部屋やるよ。」
「まずはAの部屋の家具だな〜」
「とりあえず今日は寝る場所ねーし俺か兄ちゃんの部屋な。」
「え」
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作者名:結城 | 作成日時:2021年11月9日 6時