嵐の前の。 ページ16
「さて、買い物も終わったしそろそろ帰んぞ〜？」
「はーい。」
何だかんだ沢山買い物をしてしまい、両手に買い物袋を手にした蘭ちゃんに私と竜君が呼ばれる。
眺めていた小物入れを元の場所に戻して蘭ちゃんの元へ小走りで向かう。
ふと後ろから竜君の手が伸びて来て私が手に持っていた荷物を奪い取る。軽く驚いて横を見ると竜君の顔が肩の横にあり至近距離で目が合った。
「他に欲しいモン出たらその都度俺か兄貴に言えよ。変なもんじゃなきゃ買ってやるから。」
「やった〜〜」
へへへ、と笑って軽くガッツポーズをとると前方の蘭ちゃんが「何楽しそうにしてんだ〜。」と待ちくたびれた様子で催促してくる。
ごめんごめんと駆け寄ると蘭ちゃんはフッと笑って踵を返す。
「ほら帰んぞ、お前等。」
「「はーい。」」
「竜胆〜Aが呼んでる。」
「んぁ？何だろ。今行くって言っといて。」
「お〜。」
「オーイA〜？何か呼んだ？」
「あっ竜君！スマホの事なんだけどね、前のスマホだとこうしたらウィンドウが開いてたんだけど出なくて…やり方とかわかんないかな…？笑」
「はぁ〜？俺は携帯ショップの店員じゃねぇんだけど〜？貸してみろよ。………あ〜？ンだコレ…だからお前もiPhoneにしろっつったのによ。」
「…ごめん…」
「別にいーけどさ、………お。出来た。多分こうじゃね。見てろよ…ここを触って、それを上にこう。ホラ、そしたら出てくる。」
「ホントだ！竜君流石だね、凄いよ…！」
「つかそんな事の為に呼ぶなよ。俺今飯作ってる。」
「あ、じゃあ私も手伝うよ！何作ってるの？」
「カツ丼。」
「お、重たい…！」
「A〜ベッドどお？」
「あ、蘭ちゃん。凄いフカフカで暖かいよ、これ結構高かったのにごめんね…」
「ホントだよな〜？誰かさんがこれが良いって言うから泣く泣くカード切っちまったし〜。」
「だ、だって値段は見てなくて…！デザインが凄く良かったから…」
「嘘嘘、そんな金額俺等にとっちゃ可愛いモンだしンな気にすんな〜？笑」
「そんな訳には…一応バイト代入ったらお金渡すから許して貰えると…」
「ンなもんいーって笑つか明日からお前も梵天で仕事か〜俺等はついてってやれねーから1人で頑張れよ？」
「………頑張って家に帰れる様には努力するね。」
「どんだけ不安なんだよA〜笑今日寝れねーなら一緒に寝るか？」
「それは大丈夫。」
「………。」
「怖い顔しても駄目！！！汗」
「はは笑じゃ、早く寝ろよお休み〜」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 384人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：結城 | 作成日時：2021年11月9日 6時
