買い物 ページ15
「スイマセン首領、今日から早速働かせたいトコなんですけどコイツ昨日急遽引っ越したので色々手続きとか買い物しないといけなくて。とりあえず今日は勘弁してくれませんか?」
ソファから私と佐野さんが立ち上がると蘭ちゃんに背後から両肩を掴まれ、グイッと結構な力で引っ張られる。
そのままなすがまま蘭ちゃんの体と私の背中が触れる程の距離に立たせられると強制的に頭を押さえ付けられ、頭を下げさせられる。
最早蘭ちゃんの操り人形な私に佐野さんは数秒沈黙してから「わかった。」と一言返した。
「ならバイトは明日からな、A。待ってっから。」
「えっ、あっ、はい!宜しくお願いします!」
「さ、じゃあまずはお前の必要なモン買い物に行くか〜。」
「その前に一回家帰って着替えねーと、兄貴。」
梵天のビルから出るとすっかり高い位置に昇った太陽光を浴びながら蘭ちゃんはグッグッと伸びをする。
そんな蘭ちゃんに冷静に意見する竜君。
「竜君の兄貴呼び久しぶりに聞いた。」
「あ?ンな事なくね。外ではほぼ兄貴だぜ。」
一度2人の家に戻り、着替え終わると改めて蘭ちゃんの車に乗り込む。シートベルトを締めていると「なぁ。」と助手席の肩に手を掛けて竜君が振り返る。
「今すぐ欲しいモン何がある?」
「今すぐ…。となると、えーと…寝る場所と、携帯と、着替え…あっ、パジャマかな。パジャマ持ってくるの忘れて昨日竜君のシャツ借りちゃったし…」
「何だよ、俺に言えばパジャマの1つや2つ貸してやったのに〜」
「兄ちゃんのは俺よりでかいじゃん…。」
「とりあえず携帯とベッドだな〜。竜胆、携帯ショップの予約入れといて。15時くらい。」
「おっけー。」
「じゃ、しゅっぱーつ♪」と蘭ちゃんの掛け声を合図に車が発進する。
上機嫌でハンドルを回す蘭ちゃんとスマホを操作している竜君の横顔を眺めながら後部座席の私はそういえばあのピンクの人の名前を聞き忘れたなぁ。とぼんやり考えていた。
「なぁAこれ良いじゃん。天蓋付きのレースベッド笑」
「蘭ちゃん、私の事女子中学生だと思ってる…???」
「無難にこれにしよーぜ。黒。つか何でコレこんなたけーの?」
「竜君それダブルベッドだよ…。」
「あ、ならでけーベッド買って餓鬼の頃みたいに3人で寝るか〜?笑」
「ならトリプルベッド?トリプルって何処にあんの。」
「一人で寝るんだからシングルで良いよ!!!」
「「え〜?笑」」
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作者名:結城 | 作成日時:2021年11月9日 6時