警察が何の用ですか？ ページ1
ピンポーン。ピンポーン。
室内に鳴り響くインターホンの音。
息を殺しながら慌ててスマホを手に取り幼馴染の彼に電話を掛ける。
数秒のコール音の後、電話口から聞き馴染んだ幼馴染の声。
「もしもし？」
「あ？Aか、どした？」
「どうしよう竜君、うちに警察来た………。」
「………出たのか？」
「ううん、インターホンのカメラで見た。どうしよう、竜君と蘭ちゃんの事で来たのかな…今もインターホン鳴ってるよ…どうしたら良い…！？」
「とりあえず落ち着け。俺等の事は昔の話で今は知らねーって言え。そんで、警察署に組員の女1人向かわせるからそいつの車で家まで帰れ。怪しまれねー様に口裏は合わせろ。警察署で解放されたらまず真っ先に俺にもっかい電話しろ、良いな？」
「わかった、2人の事はわかんないて言う、女の人の車で帰る、すぐ竜君に電話する…！」
「あとスマホのLINE消せ、トーク履歴見られたらめんどい。連絡先も俺と兄ちゃん消せ。良いな？」
「わかった……。じゃあ後でまた電話する…！」
「おう、気を付けろな。」
プツッと通話が切れると言われた通りにLINEと連絡先を消し、玄関の扉を開けた。
扉の先には警察の格好をした男の人が2人立っていて、扉を開けると帽子のツバに手を当てて軽く会釈をする。
「こんばんは、只今お時間よろしいですか？」
「あっはい、一応…」
「インターホン鳴らしてから来られるまでお時間掛かってましたが何かされてる最中でした？」
「…お風呂に入ろうと思って服を脱いだところだったので…」
「それは大変失礼しました、申し訳御座いません。ところで、AAさんでお間違いありませんか？」
「はい、そうですが…何ですか？」
「いえ、大した事では無いんですが…Aさんの昔幼馴染だった灰谷という苗字の男性二人についてお聞きしたくてですね…」
「あ、そうなんですね…でも確かに昔幼馴染でしたけどもうずっと会ってないのでお役に立てないと思います…。」
「昔の話でも構いませんので、是非ご協力頂けないでしょうか？」
「わかりました、えっと、私が小学生になる前にその幼馴染の隣の家に引っ越して…」
「あ、すみません。申し訳無いんですが、色々お聞きしてそれを記録する必要があるのでここでは無くて交番でお伺いしても宜しいでしょうか？」
「…わかりました、じゃあ出かける準備だけするので待って貰っても良いですか？」
(わ〜〜〜どうしよう上手く行くかな助けて竜君、蘭ちゃ〜ん！！！！)
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作者名：結城 | 作成日時：2021年11月9日 6時
