133 兄と姉 ページ28
この日は、兄の朧と姉の妙たちが来ていた
Aは、逢える事を楽しみにしていた
貴方「お姉ちゃん!お兄ちゃん!」
朧「A〜元気にしてた?困ってる事はない?」
貴方「うん。何もないよ」
珊瑚「あやめたちは居ないんだ」
朧「僕らの仕事を変わりにしてもらってる」
珊瑚「あやめたちはいつ頃来れそう?」
朧「まだわかんね。
妙、そろそろ僕にAを抱っこさせて」
妙「その時は、連絡するよ。
嫌よ、久しぶりのAを堪能したいのよ!」
朧「僕もA不足なの!」
珊瑚「
朧「なんで、こんなに風当たり強いの!?」
珊瑚「自分で考えて」
琥珀「珊瑚、その気持ちは判るけど……」
妙「何かあるの?珊瑚、琥珀」
珊瑚「矢っ張り、姉の妙の方が頼りになる」
妙「A、本当に何もないの?」
貴方「うん、何もないよ!」
Aは、祖父母家での扱いを誰にも云わなかった
そもそも兄たちに前で“甘える”事を怖がり、心の底から笑顔になることが出来なくなった
引き攣った笑で兄たちと逢っていたがそれでも、兄たちは気づかなかった
フョードルや澁澤の前では、“甘える”事が出来て、心の底から笑顔になれる
珊瑚と琥珀は安心した
“甘えられる”存在がいる事に
そして、Aが心を亡くす事もなかった