131 火傷 ページ26
この日は、祖母の機嫌が悪かった
琥珀と珊瑚を無理矢理外に連れ出すと
Aに当たるように暴 力を振るった
それでもAは、表情を変えることもせず、黙って終わるのを待っていた
その時、何かがピーピーとなる台所
祖母「今日こそ思い知らせてやる…」
祖母は掴んでいたAの髪を離した
祖母はピーピーと鳴るやかんを手にすると恐ろしい笑顔を貼り付けてAに一歩、一歩近寄った
祖母はAの右腕を掴むと
やかんの中の熱湯をAの背中にかけ、やかんの底を押し付けた
熱さと痛みを感じないAにお構いなしで笑顔を貼り付けていた
そう吐き捨てると、祖母は飽きて何処かに行った
その隙に琥珀と珊瑚が家に入ってきて
Aを治療した
しかし……
暴 力の跡は綺麗に消えたが、火傷だけは何時まで経っても治らなかった