Toxic Mother and Curse of Family ページ40
今朝､お袋関連でまた気分を悪くした｡
普段ならこういうことがあっても学園では笑顔でごまかせるのに､今日は全く上手くいかない｡そしたら…
ヘル｢どうかしたの?桃ちゃん…｣
陽一｢何でもないですよ､ヘル先生｣
いつもより下手な笑みを見せると､予め決められたセリフのような言葉を吐き出す｡
でもヘル先生は何か察しているのか､しつこく｢そんなわけないでしょ?｣と食い下がってきた｡
もちろん俺も抵抗したが､このまま黙っていても無意味だと分かったので諦めた｡
陽一｢お袋とちょっとな｣
探られるのが嫌だったので､ヘル先生が納得できて曖昧にしておける答え方をした｡
ヘル｢そっか…お母さんと上手くいってないんだっけ?どんな人か深くは知らないけどさ､そんなに嫌い?｣
陽一｢嫌い､か…多分嫌いだぜ､好きじゃない｡ヘル先生には分かんねぇかもしんないけど｣
聞かれたくないことについて触れられてイラついてしまい､ヘル先生に半ば八つ当たり気味に言ってしまった｡
俺は皆と違って事前に敷かれたレールがある存在…その上を足枷を着けられた裸足で歩かされる苦しみは､俺にしか分からないんだ｡
ヘル｢いや､分かるよ｡無理に何かを押し付けられるのって嫌だよね｣
陽一｢そんなの､当たり前だろ⁉︎｣
まるで同情するかのように話しかける彼女に対し､俺は心を閉ざしかけた声で返事をする｡
もうこれ以上の会話は無駄だろうと思っていると､ヘル先生がいきなり口を開いた｡
ヘル｢あのね…そんなに嫌なら逃げてもいいんだよ?私はそうやって…逃げて､きたんだから｣
陽一｢え…｣
いきなり何を言っているんだと思っていると､先生は言葉を続けた｡
ヘル｢逃げても幸せなことってあるのよ｡私は逃げてきて良かったと思ってる｡じゃなきゃ､ルキノさんに会えてないかもしれなかったからね｣
その言葉に対し､俺は何と返せば良いか分からなかったが…恐らく､先生は“逃げる”という選択肢もあると言いたいのだろう｡
でも､それは俺にはあるようでないものだ｡
万一俺が逃げてしまえば､その時は…
想像するだけで背筋がゾッとしてしまったので､それ以上考えることをやめた｡
俺には“逃げる”なんてできない｡見えない鎖や枷が俺を縛り続けている限り､永遠に…
陽一｢はい､ありがとうございます｣
何とかいつもの作り笑いを浮かべながら答え､ヘル先生に礼を言う｡
俺はどう足掻いても逃げられないから､皆を安心させる為に笑顔でいないと…
コピペ改変27→←コピペ改変26 ※◯亡描写&動物化描写あり
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作者名：コードネーム13@現在第五人格の企画参加者募集 x他1人 | 作者ホームページ：ない
作成日時：2023年1月27日 16時
