17歳 ページ18
「……A、」
斬島はAの名前を読んだ。
今日の当番は斬島だ。
だから、朝の目覚めを助長することも今日は彼がやる。
「……泣いているのか」
ふと、小さな体を包み込んでいた布団を少しめく捲って、Aの顔をみる。
その目と頬には涙の跡と思わしきものがあり、嫌な夢を見ているのだということがわかった。
「……朝だ、A。早くしないと飯に遅れるぞ。田噛に叱られるな。」
斬島が声を変えずに言えば、がばり、と体を勢いよく起こして、こちらを見つめるAの姿が。
朝食に遅れることよりも、遅れて田噛のペースを崩すことに憤りを感じているらしい。
「やだー！田噛にい、おこるとこあい！」
「そうだ、田噛は怒るとめちゃくちゃに怖いぞ。怒らせない為にも着替えてしまうことが先決だぞ。」
手に取った制服は自分のものよりも遥かに小さく、少しの違和感を感じる。
「あ！おようふく、おきがえ！」
制服を見せてしまえばあとは意外と楽で、さっさと寝間着を脱ぎ捨てて制服を着たがった。
斬島が、腕を通しやすいように制服を持ち直す。
それを待ってから、Aは袖を通した。
そうして、斬島がボタンを締めて、ズボンを履かせた。
「……こらA、まだベルトを付けていないぞ」
「べると？？おいしい？」
「……不味いと思うぞ。」
Aを軽く押さえつけ、ベルトを通していく。
「きゃはは〜！くすぐったぁーい！」
「丁度脇腹のところだからな。よし、行っていいぞ」
ぱっと手を離せば、とたとたと大股で走っていってドアの前で止まった。
「……きりにい、はやく！」
ふと、名前を呼ばれた。
昨日と違う呼ばれ方で。
顔には出さないが、内心飛び上がってガッツポーズをしたいほどに嬉しかった。
「……ああ、ちょっと待て。その前に、これ、どうした？」
ドアの前に立ち、しゃがみこんでAの頬に触れる。
そこには、先ほどの涙跡があった。
「こわいゆめ、みた！」
「ほう、どんな？」
「みんなきえた！」
何も無かったかのように喋り出すAに少しの違和感を感じながらも、斬島は涙跡を軽く擦って消した。
「……俺達は消えないから安心しろ。…さ、みんな待っている。」
そういって斬島は扉を開けた。
扉を開けると、驚いたことにほぼ全員集まっていた。
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ファーストMe - とても面白かったです！！続き待ってます！(о´∀`о) (2018年9月27日 22時) (
レス) id: d48a818a0f (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ - めっっっちゃ面白いです！！はやく谷裂との絡みが見てみたいです！更新待ってます！頑張ってください！ (2018年7月7日 0時) (レス) id: 80941d4d5d (このIDを非表示/違反報告)
真顔の天使 - 面白かったです。獄卒達(特に斬島)の反応が可愛いかったです!!早く続きよろしくお願いします。 (2018年3月4日 14時) (レス) id: 34e63f959e (このIDを非表示/違反報告)
クスクス - 面白かったです。 (2018年2月20日 21時) (レス) id: 364e94a966 (このIDを非表示/違反報告)
ラル(プロフ) - すっごい面白いです！続きが気になります！ちびっこを見た獄卒達の反応が可愛くてもう、最高です！ (2016年8月8日 5時) (レス) id: d7cba9107c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竹ノ狐。 | 作成日時：2016年1月30日 21時
