15歳 ページ16
午後10時。
一連の作業が終わり、静かにAの部屋から出た。
しかし、とても楽しかった。
幼子を風呂に入れるのも、髪を乾かすのも、寝かしつけるのも、実に何十年ぶりかのことだった。
ああ、楽しかった。
そう呟くかのように自室のベッドへとダイブし、1日の出来事を振り返る。
まず、Aが特務室へとやってきたときのこと。
このときのAはかなり緊張していて、肋角へひっついていたこと。
食堂へ向かうときに、斬島からAをもらい、だっこをしたこと。
そうして、ついさっきAを寝かしつけたこと。
そう考えれば、長いようで短い1日であった。
もっとも、1日という単位自体が短いこともあるのだが、それ以上に短く感じるものがあったのだ。
明日の当番は、斬島かあ。
Aを見たときから目が誰よりも好奇心で溢れていたし、事実抱っこをしているときも楽しそうにしていたから多分大丈夫だろう。
その次は佐疫。
佐疫に関しては、心配することなど皆無に等しいだろう。
Aが一番に懐いていたこともあるし、難なく寝かしつけるところまでいけそうだ。
その次は田噛。
田噛は最初こそ不安だったが、なんだかんだ丁寧に食べ方を教えたり、細かい面倒をみたりしている様子があるので、子供が嫌いというわけではなさそうだ。
むしろ、大好きそうな雰囲気さえ感じる。
とても、意外だが。
そして次が、一番危惧している谷裂。
彼はいつもちびっ子の世話を回避してきていたから、かなり不安だ。
子供が嫌いなのか怖いのかはわからないが、自分がしっかりサポートしてやらないと。
その次は平腹。
二番目に不安だ。
彼に関しては兄貴肌な部分があるので心配する必要はないとは思うが、湯船でAを溺れさせたりしないかどうか、が不安要素であった。
髪の毛を乾かすのは田噛がやってくれると信じている。
最後に、抹本。
彼は気が弱いがその分面倒見がとても良いので、心配する必要はほぼないだろう。
一応サポートとして佐疫もいるわけだから、大きな問題などは起きないだろう。
結論的に、意外とやっていけそうだ。
そう考えながら、木舌は眠りについた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ファーストMe - とても面白かったです！！続き待ってます！(о´∀`о) (2018年9月27日 22時) (
レス) id: d48a818a0f (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ - めっっっちゃ面白いです！！はやく谷裂との絡みが見てみたいです！更新待ってます！頑張ってください！ (2018年7月7日 0時) (レス) id: 80941d4d5d (このIDを非表示/違反報告)
真顔の天使 - 面白かったです。獄卒達(特に斬島)の反応が可愛いかったです!!早く続きよろしくお願いします。 (2018年3月4日 14時) (レス) id: 34e63f959e (このIDを非表示/違反報告)
クスクス - 面白かったです。 (2018年2月20日 21時) (レス) id: 364e94a966 (このIDを非表示/違反報告)
ラル(プロフ) - すっごい面白いです！続きが気になります！ちびっこを見た獄卒達の反応が可愛くてもう、最高です！ (2016年8月8日 5時) (レス) id: d7cba9107c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竹ノ狐。 | 作成日時：2016年1月30日 21時
