11歳 ページ12
「……ああ、お風呂……」
仕事机の並ぶ、仕事場兼集会室。
集会室もあることにはあるのだが、こちらの方が若干近かったのでこちらに集まったようである。
その仕事場で佐疫たちは今、本日最大の課題に直面していた。
Aはまだ幼く、ひとりでご飯も食べれなければ服も自由に着れず、お風呂にもひとりで入ることができないのだ。
「肋角さんに「みんなで」って言われたから、当番制か何かにした方がいいんだと思うんだけど……。」
佐疫がそう提案すると、木舌がいいね、と相槌を打った。
「でも一人ずつだと何かと心配な人がいるから、その人が当番の日は誰かがお助けでお手伝いするっていうのはどうだい？」
ちらり、と谷裂と平腹の方を盗み見ながらそういう。
田噛と斬島は先ほどの様子を見ている限り、それほど心配はなさそうだろう。
その話を持ち出したあたりで、がちゃり、と扉が開いた。
一同が扉の方を見ると、小柄な黄緑の獄卒と手を繋いだAの姿があった。
「……あっ、ご、ごめん、お邪魔しちゃった、かな…？」
一斉に見られたことに怯んだのか、黄緑色……抹本が弱々しく尋ねた。
抹本もここの獄卒で、彼は薬師をしている。
丁度病院での任務が終了したらしく、屋敷へ戻ってきていたようだ。
「いやいや、全然邪魔じゃないよ。任務お疲れ様！」
「ありがとう、……あの、この子は……？」
抹本が斬島たちへと寄ってきて、Aを見ながら尋ねてきた。
「ああ、彼女は新人の獄卒だ。俺たちの妹分だ」
「そうなの？斬島たちの名前を呼びながら廊下を徘徊してたから連れてきたんだけど、そういうことだったんだね！」
どうやらAは、兄たちを探していたようである。
「そうだったの？！ごめんね、抹本。あとありがとう。」
「いや、お役に立てたならそれでいいよ」
そういって机の上に薬を置いて退室しようとしたので、木舌が慌てて引き止めた。
「抹本。A…この子の世話を当番で決めようと思うんだけど、抹本も手伝ってはくれないかな？仕事が忙しい時は変わるから」
「別にそれは大丈夫だけど……ちゃんとお世話できるかな、不安だなあ……。」
不安そうに眉を寄せてAを見つめる抹本の目は、少しだけ潤もうとしていた。
「大丈夫だよ、厳しそうだったらお手伝いするから」
「ほ、本当…？じゃあ、頑張ってみる」
抹本が戸惑いながらも強く言った。
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ファーストMe - とても面白かったです！！続き待ってます！(о´∀`о) (2018年9月27日 22時) (
レス) id: d48a818a0f (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ - めっっっちゃ面白いです！！はやく谷裂との絡みが見てみたいです！更新待ってます！頑張ってください！ (2018年7月7日 0時) (レス) id: 80941d4d5d (このIDを非表示/違反報告)
真顔の天使 - 面白かったです。獄卒達(特に斬島)の反応が可愛いかったです!!早く続きよろしくお願いします。 (2018年3月4日 14時) (レス) id: 34e63f959e (このIDを非表示/違反報告)
クスクス - 面白かったです。 (2018年2月20日 21時) (レス) id: 364e94a966 (このIDを非表示/違反報告)
ラル(プロフ) - すっごい面白いです！続きが気になります！ちびっこを見た獄卒達の反応が可愛くてもう、最高です！ (2016年8月8日 5時) (レス) id: d7cba9107c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竹ノ狐。 | 作成日時：2016年1月30日 21時
