言葉なんて要らない ページ6
「…ふふ、及川のお財布が軽くなったのには笑っちゃったなぁ」
「それを実行したのはお前だろ…全く、俺もおこぼれに預かったからどうとも言えねーけどよ」
コンビニで解散し、花巻達と別れた私とダーリンは静かに歩いていた。
実は私の家は及川達の裏側で、路地を挟んで回り道をしなければならないのだけど、いつも送ってくれるダーリンの事は家族全員知ってるし、公認してる。
そりゃ、こんなに男前でカッコいい彼氏を連れて来たらOKの一つや二つ、降りるのは必須だろう。
「えへへ、でも…今年の夏ももう後一月、二月で終わっちゃうんだもの。少しくらい思い出を作っても良いと思わない?」
「まぁ、そりゃそうだけどな…で、言いたい事はそれだけか?
…ちゃんと言えや。言わないでおこうとしてるところが俺は嫌いだって言っただろ」
「えー…ダーリンは鋭いから困っちゃうなぁ…」
家の前に着いた途端に言いたい事があるのを悟られて、今、言うつもりのなかった事を言うか迷ってしまう。
もう、本当にムードが無いんだから。
でも、そんな一だから私はきっと…
「はぁ…何年一緒に隣を歩いてると思ってんだよ、お前の事なら及川並みに分かる様になって来たんだ、何を言っても驚かねーよ」
「ふふ、じゃあ言おうかな?一に言いたい事。」
この気持ちを沢山、溢れてしまうくらいの『好き』を言いたくなってしまうのだろう。
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作者名:湯のノン | 作成日時:2018年5月13日 21時