言葉なんか要らない【岩泉一】 (ページ3)

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言葉なんていらないページ3

遡る事2年前、私達が出会い、そして恋心と言う名の元で絆(えにし)を結んだ時に私が言った約束事が原因だったのだと思う。

「岩泉、私ね？軽々しく好きとか愛してるとか使いたくない。」

「お…おう、理由を聞いて見てもいいか？」

この時のダーリンの面食らった様な、急な話で驚いてる顔は今でも覚えてる。

だって、告白されてオッケーしたらこんな事言われるんだもん、誰だってびっくりするんだろうね。

「えっとね、簡単に言うと…言葉の重みがなくなってしまうのが嫌、だからかな？」

「ふーん、成る程な。分かった。俺もそう言うことを言うのは苦手だし、気にしねーけど…千乃音は言葉を大切にしてんだな」

頭を少し掻きながらも、納得してくれた一に私は一生ついて行くつもりで居るからね、うん、今でも物凄く好きだけど

「でもね、私はもう一つ岩泉にお願いがあるの。」

＿＿＿＿＿＿だから、好きも愛してるも殆ど使わない代わりに私は一の事をダーリンと呼ぶ事にしたのだ。

『愛してる』とか『大好き』とか滅多に言わないでは居るけど、『ダーリン』って呼んで、その分の言葉の距離は埋めて行く。

要は彼の事を呼ぶたびに好きよって気持ちを知っていて欲しいからこそ、そう呼ぶ様にして居るのだ。

これが異質な感じがする私と岩泉一との約束事である。