ありがとう、谷崎くん ページ30
駆け付けてくれた与謝野先生と森さんやおじいちゃんに少し怒られてから、お帰りと抱き締められて、中島さんや鏡花ちゃんは良かったと微笑みながら、果物の詰め合わせを送ってくれた。
珍しく乱歩さんにも少し怒られたけど、駄菓子をいくつか下さって、早く治しなよと言われた時には明日は槍が降るのでは!?とびっくりした。
その他にも怒られたり、お帰りと言ってくれる方々が沢山いて、少し嬉しいと不謹慎な事だとは思うけど、そう思ってしまった
「もう!心配したのですわ!Aの馬鹿!」
「ナオミちゃんゴメンね!ゴメンね…!」
わぁぁぁん!とお互いに抱きしめ合って大泣きしながら、騒いだことはかなり反省しているけど、それほど嬉しかったのだ。
もうそろそろ少し休ませてやりなと与謝野先生達に窘められて、病室から出て行くけど、谷崎くんだけは残っていて、その目は少し、泣きそうだった。
「…たにざきk」
「ねぇ、Aちゃん」
私の言葉に被せるように私の名前を呼ぶ谷崎くんが、何処か本当に壊れそうな程に繊細なガラス細工のような気がして、言葉を遮られても何も言えなかった。
「…お帰り、Aちゃん」
その目には涙がぽろぽろと落ちていて、綺麗な気がして、何処か儚げに見えていた。
だから、だから私は…
「ただいま、ありがとう…潤一郎くん」
何だか泣きたいような感覚を抑えて、涙を零しながらただいまとありがとうを伝えた
もう少し、一緒に居たいんだ→←お帰り、甲田ちゃん。ただいま、谷崎くん
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湯のノン(プロフ) - 餅氏さん» ありがとうございます!太宰さんの所はきちんと修正致しましたので、指摘、ありがとうございます! (2016年12月11日 9時) (レス) id: 86b95c7393 (このIDを非表示/違反報告)
餅氏(プロフ) - やっぱり面白いです…(*´-`*)更新頑張って下さい!!…後、ページ12の最後が、『太宰府さん』になってます!! (2016年12月9日 20時) (レス) id: cd5d81dee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湯のノン | 作成日時:2016年12月3日 14時