甲田ちゃんは決心した ページ28
織田作に沢山の事を話していた。
学校の事、おじいちゃんの事、武装探偵社の事、太宰さんや中原のお兄さんの事、そして好きな谷崎くんの事、沢山の事。
「そうか、沢山頑張ったりしたんだなA」
「うん、私ね?話していて気が付いたの…」
やっぱり、生きたいって
「谷崎くんにまだ、好きって伝えられて無いから、おじいちゃんやみんなにお礼も何も出来て無いから」
そうやって、織田作に伝えれば大きくなったなと強い子になったなと笑って教えてくれた。
もう少しで起きるきっかけが起こる。だから、その時になったらお前が戻る時だ、と
嬉しそうな満足気な顔をしている織田作を見てなんだか嬉しくて、でも寂しくて…もう一度、頭を撫でて欲しいと子供の様に強請ってみた。
「…ねぇ、織田作…また何時か逢える?」
「逢えるさ、お前がよぼよぼの婆さんになったら、またこっちに来るだろうからな」
それまで、俺の分まで生きてくれよ
そのまま、私の目を織田作の手で隠す様にしながら、唇に暖かい何かが触れた様な感覚と共に私の意識は途切れてしまった。
___またな
そんな優しい一言を耳元で微かに拾った事しか、私の記憶には無い。
甲田を送り出した織田は穏やかそうに微笑んでいた。
そこには書きかけの小説と、仄かに残る潮の匂いが残っていた
お帰り、甲田ちゃん。ただいま、谷崎くん→←谷崎くんは、まだ、彼女を見ている。
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湯のノン(プロフ) - 餅氏さん» ありがとうございます!太宰さんの所はきちんと修正致しましたので、指摘、ありがとうございます! (2016年12月11日 9時) (レス) id: 86b95c7393 (このIDを非表示/違反報告)
餅氏(プロフ) - やっぱり面白いです…(*´-`*)更新頑張って下さい!!…後、ページ12の最後が、『太宰府さん』になってます!! (2016年12月9日 20時) (レス) id: cd5d81dee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湯のノン | 作成日時:2016年12月3日 14時