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5m程の高さまで跳び上がると、Aは手にしていたナイフを壁に突き立てた。

が、流石巨人に対抗する為作られただけの事はある。
ナイフは刺さらず、壁には傷一つつかない。


しかし一瞬…ほんの一瞬、壁にナイフの切っ先が引っかかるだけでよかった。


切っ先が壁に引っかかり、Aの体が落下せず壁面で停止したその瞬間…
Aは素早く壁面を蹴り、更に壁の上の方へと跳び上がった。

そうしてナイフを引っかけては跳び、引っかけては跳び…という作業を繰り返し、
たった30秒で、Aは50mの壁を登りきってしまったのだ。


そして今度はウォール・マリア内へ…


Aはそのまま壁から飛び降り、重力に従って落下していく。

そして地面が近くなってきた時。
体勢を変えて壁を蹴り、近くの建物の上へと飛び込んだ。

着地に成功すると建物から街へと降り、次の壁へ…


以降上と同じ要領で、Aは休むことなく壁を越えていった。


そして遂に3つ目の壁…ウォール・シーナの壁上へと辿り着いたのは、
シガンシナを出発してからおよそ30分後のことだった。



「ここが…ウォール・シーナ内地…」



王族・貴族が住むその街は、
自分が住んでいるシガンシナ区とは全く違う世界に見えた。

初めてローゼ内地を見た時も同じような感想を抱いたが、これは明らかにレベルが違った。


そこら一面に背の高い立派な建物が立ち並び、
小さく見える人々の服装は、まさに貴族と呼ぶにふさわしいものだった。



「やっと…やっと辿り着いたんだ!!!」



Aは大はしゃぎで壁の上から飛び降りた。


壁を蹴って近くの建物の屋根に飛び込み、そこから街へと降りていく…

そこまでは順調だった。

しかし。



「えっ…」



生まれて初めて王都を見た感動で気持ちが舞い上がっていたAは、
屋根から降りる際の着地に失敗してしまったのだ。

バランスを崩し、Aは近くにあった穴のようなものの中へ…



「うわあぁぁぁ!!!!!」



穴の中には階段が設置されていたようで、
Aはその階段に沿ってごろごろと転がり落ちていく。



そしてこれが、二人の出会いのきっかけとなるのだった。



3→←1



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- やっぱりこの作品神だな。うん。 (2021年8月25日 0時) (レス) id: 3d9458003a (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - めっちゃ面白いですっ!!サシャが好きなんで出番あって嬉しいです!!(^-^)/ (2018年11月15日 20時) (レス) id: 91ef51d80b (このIDを非表示/違反報告)
真龍(プロフ) - 地下の時の話で、イザベルやファーランなどの仲間は出さないんですか? (2018年7月30日 18時) (レス) id: cad0db13a6 (このIDを非表示/違反報告)
青い鳥(プロフ) - 創世の魔法使いさん» 読者様からの『面白かった!』という一言が、私にとって何よりの原動力になります。読んで頂きありがとうございました! (2014年12月9日 22時) (レス) id: abf9d06ce8 (このIDを非表示/違反報告)
創世の魔法使い - とても面白い!好き!それに、エレンのお兄さんが凄くイケメン! (2014年12月9日 21時) (レス) id: fd12ebc0d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青い鳥 | 作成日時:2014年10月31日 20時

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