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ジャンは兵舎の入口の段差に座り込んでいた。
Aはジャンの前に
彼が落としていった立体機動装置一式を丁寧に降ろすと、
項垂れるジャンの隣に静かに腰を下ろした。
「最初に言わせてくれ。立体機動装置は衝撃に弱いから取り扱いには気をつけろ」
「…すんません」
「で、どうしたんだ？」
優しく問いかけるAに、
ジャンは項垂れたまま小さく口を開いた。
「…Aさんは、ミカサと付き合ってんスか」
「え？」
予想もしてなかった質問に、Aは思わず目を丸くする。
しかしその直後、
Aは突然腹を抱えて笑いだしたのだ。
「っははは！！！何だ、ジャン！！！お前ミカサのことが好きなのか！！！」
「あっ、や…その…！！」
顔を赤らめて口を濁すジャンからは年頃の少年らしさが窺え、
兵士とはいえやっぱりまだ15歳の子供か…と、Aは微笑ましい気持ちになった。
「さっきのやり取り見て勘違いしたんだな。あれはただ熱を測ってただけだ。
手で測る時は、額よりも耳裏から首筋にかけてを触った方が正しく測れるんだぜ？」
「ぇ…そうだったんスか！？す、すんませんでした…
なんか、Aさんがエレンに見えちまって…」
「…あ〜、成る程。お前、いつもミカサと一緒にいるエレンが気に入らないんだろ」
「あぁっ！！？」
ジャンの心を見透かしたようなAの発言に、ジャンは思わず大きな声を出してしまった。
恐らくこの光景を先程のアルミン達が見たらこう思うだろう。
『何故他人の事にはよく気付くのに、自分の事には気付かないんだ』と…
「まあ、確かにミカサはいつもエレンと一緒にいるけど、そういう感情は無いと思うぜ？
エレンに対する『好き』は、家族として、って意味だろうし…
それにジャンにはジャンの良い所がたくさんあるんだから、もっと自信持てよ」
「ほ、ホントっスか！？」
「でも、だからって調子に乗ったら駄目だぞ？
やり過ぎたら逆に引かれるから、アタックも程々に。
今はそれよりも友達としての関係を大事にしていくのがベストじゃないか？」
「は、はい！！ありがとうございます！！」
ジャンの顔に活力が戻ったのを確認すると、
Aは笑顔で立ち上がり、その場を去っていった。
「…あれがエレンの兄貴か」
顔はそっくりでも中身は全然違うんだな…と、
ジャンはAの後ろ姿を見ながら心の中で呟くのだった。
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な - やっぱりこの作品神だな。うん。 (2021年8月25日 0時) (
レス) id: 3d9458003a (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - めっちゃ面白いですっ！！サシャが好きなんで出番あって嬉しいです！！(^-^)/ (2018年11月15日 20時) (レス) id: 91ef51d80b (このIDを非表示/違反報告)
真龍(プロフ) - 地下の時の話で、イザベルやファーランなどの仲間は出さないんですか？ (2018年7月30日 18時) (レス) id: cad0db13a6 (このIDを非表示/違反報告)
青い鳥(プロフ) - 創世の魔法使いさん» 読者様からの『面白かった！』という一言が、私にとって何よりの原動力になります。読んで頂きありがとうございました！ (2014年12月9日 22時) (レス) id: abf9d06ce8 (このIDを非表示/違反報告)
創世の魔法使い - とても面白い！好き！それに、エレンのお兄さんが凄くイケメン！ (2014年12月9日 21時) (レス) id: fd12ebc0d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青い鳥 | 作成日時：2014年10月31日 20時
