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ペトラの肩に"ソレ"を見つけた瞬間、Aはすぐに行動を起こした。
箒を左手に持ち、ゆっくりとペトラの方へ歩き始めるA。
Aの気配に気付いたのか、ペトラは俯けていた顔をはっと上げる。
するとAはもうすぐ傍まで来ていた。
(え…え…?何…?)
箒を両手で握りしめたまま、その場に固まってしまうペトラ。
Aが一歩こちらへ近付く毎に白い肌は赤く染まっていき、
心臓の鼓動がどくどくと耳元で聞こえているかのような錯覚に陥る。
(ちょ…もう、無理…!!!)
耐え切れず、ペトラがぎゅっと目を瞑った時…
Aの右手が、ペトラの右肩を優しくはらった。
「肩に埃がついてましたよ。
それと、さっきはキツく言い過ぎてしまってすみませんでした。
俺、庭の方掃除してくるので、ここの掃除はよろしくお願いしますね」
…笑顔でそう言って、Aは部屋を出ていった。
一人残されたペトラは、大きく息を吐き、その場に座り込む。
(…完璧だ。自然に謝り、自然に退室できた。
しかし…何であんなに顔赤くしてたんだ?巨人と違って、人間は考えてる事が読めないな…)
「…き…緊張したぁ…!!!」
「…おい」
「は?」
庭の掃除をしていると、今度はオルオに話しかけられた。
『似てないリヴァイのモノマネ』『舌を噛むヤツ』というイメージが強かった為、
唯一鮮明に覚えている人物である。
「…何スか?」
「テメェ…一体リヴァイ兵長とどういう関係だ?」
いきなり妙な質問をされ、Aは一瞬戸惑った。
「どういう、って…ただの幼馴染みですけど」
「ふっ…幼馴染みだろうが巨人とお話できようがな…テメェに兵長の隣は似合わねぇよ」
…面倒なのに絡まれたなぁ、と溜め息をつくA。
するとオルオはにやりと笑い、
立体起動装置を使って近くの壁面へと素早く移動した。
「そう落ち込んだ顔をするな!俺が凄過ぎるのが悪いんだからな!
まぁお前がここまで素手で登ってこれれば、俺の後ろに立つ権利ぐらいは与えて…」
ドスッ
その時、まだ喋ってる途中のオルオの隣で鈍い音がした。
なんだと思って横を見てみると…
そこには壁にナイフを突き刺し、
自分と同じように壁面に立っているAの姿があった。
「これで…満足ですか?」
「あ…その…生意気言ってごめんなひゃい…!」
〜
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な - やっぱりこの作品神だな。うん。 (2021年8月25日 0時) (レス) id: 3d9458003a (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - めっちゃ面白いですっ!!サシャが好きなんで出番あって嬉しいです!!(^-^)/ (2018年11月15日 20時) (レス) id: 91ef51d80b (このIDを非表示/違反報告)
真龍(プロフ) - 地下の時の話で、イザベルやファーランなどの仲間は出さないんですか? (2018年7月30日 18時) (レス) id: cad0db13a6 (このIDを非表示/違反報告)
青い鳥(プロフ) - 創世の魔法使いさん» 読者様からの『面白かった!』という一言が、私にとって何よりの原動力になります。読んで頂きありがとうございました! (2014年12月9日 22時) (レス) id: abf9d06ce8 (このIDを非表示/違反報告)
創世の魔法使い - とても面白い!好き!それに、エレンのお兄さんが凄くイケメン! (2014年12月9日 21時) (レス) id: fd12ebc0d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青い鳥 | 作成日時:2014年10月31日 20時