検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:464,774 hit

1 ページ3

「……レン……エレン!!」

「…ぇ……アル、ミン…?」



ゆっくりと目を覚ましたエレンの耳に、アルミンの声が入ってきた。

しかしまだ意識がはっきりしていないのか、
エレンは虚ろな目で『兄さんの声が聞こえたんだ…』と呟きながら辺りを見回す。

そしてあるモノを見た瞬間、エレンの意識が一気に覚醒した。



「に、兄さん!!?」



首を横に回した時…すぐ隣の地面に横たわる兄の姿を見つけたのだ。



「兄さ…血がっ……誰が、こんなコト…!!!」



頭や口許から血を流したまま動かない兄を目にし、エレンは軽いパニック状態に陥る。

しかしアルミンに再び『エレン!!』と強く呼ばれて我に返ったところで、
エレンはようやく自分がアルミンに体を支えられている事に…

そして…

ブレードを構えたミカサが、駐屯兵団に取り囲まれた自分達を庇うように立っている事に気付いた。



「エレン!!知っている事を全部話すんだ!!きっと分かってもらえる!!」



涙目で訴えてくるアルミンの言葉の意味が、エレンには分からなかった。


───話すって、何を?分かってもらえるって、誰に?


困惑するエレン…

そんなエレンの耳に、自分達を取り囲んでいる兵士達の言葉が聞こえてきた。



「おい、あいつ目を覚ましたぞ…!!」
「気をつけろ。意識が無い間ずっと『殺す』って連呼してた奴だ…何をしてくるか分からん…!!」
「きっと俺達を食い殺す気なんだ…!!」



こちらもまた意味の分からないことを言っている。

ただ一つ、今のエレンに理解できるのは…
巨人を倒す為の武器が、現在自分達に向けられているという事だけだった。



「イェーガー訓練兵!!率直に問う!!貴様の正体はなんだ!!」

「は…!?」

「下手に誤魔化そうとしたりそこから動こうとした場合は、直ちに榴弾をぶち込む!!」

「な、何言って…」

「答えろ!!貴様は人か!!?巨人か!!?」

「!!?」



唐突に投げかけられた質問の内容に、エレンは絶句した。

周りからは、"怯え"や"疑い"…そして"怒り"の視線が容赦無く浴びせられる。
まるで化け物を…巨人を見るかのような目…



「し…質問の意味が分かりません!!!」



今のエレンには、そう返すことしかできなかった。



2→←眠りから醒めて



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (308 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
492人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- やっぱりこの作品神だな。うん。 (2021年8月25日 0時) (レス) id: 3d9458003a (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - めっちゃ面白いですっ!!サシャが好きなんで出番あって嬉しいです!!(^-^)/ (2018年11月15日 20時) (レス) id: 91ef51d80b (このIDを非表示/違反報告)
真龍(プロフ) - 地下の時の話で、イザベルやファーランなどの仲間は出さないんですか? (2018年7月30日 18時) (レス) id: cad0db13a6 (このIDを非表示/違反報告)
青い鳥(プロフ) - 創世の魔法使いさん» 読者様からの『面白かった!』という一言が、私にとって何よりの原動力になります。読んで頂きありがとうございました! (2014年12月9日 22時) (レス) id: abf9d06ce8 (このIDを非表示/違反報告)
創世の魔法使い - とても面白い!好き!それに、エレンのお兄さんが凄くイケメン! (2014年12月9日 21時) (レス) id: fd12ebc0d9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:青い鳥 | 作成日時:2014年10月31日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。