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「A・イェーガー君か。君の審議は、この審議が終わってからなのだが…」

「重々承知しております。ただ、先程からの憲兵側の発言に些(いささ)か疑問を感じまして」

「…良かろう。発言を認める」



ザックレーから発言の許可がおりると、Aは憲兵団の方へと首を回し、
笑顔で口を開いた。



「あんた達はズルい人だ。自分達に都合の良い憶測ばかり並べて話を進めようとしている」

「何、だと…!?」

「ではお尋ねしますが、先程の彼女の発言に
『個人的な感情が含まれている』と、何故断言できるのですか?」



Aはそう言って、証人席にいるミカサに目を向けた。



「だから、それは彼女が過去に…」

「確かに俺も『全く含まれてない』とは思いません。
ですが同様に、『含まれている』と百パーセント言い切れるワケでもないのです」

「な、何が言いたい!?」

「お分かり頂けませんか?彼女はただ、
巨人化したエレンが自分を救ってくれたという "事実" を述べただけなんですよ?
事実を述べるというだけの作業に、個人的感情が入り込む予知など無いと思うのですが?」

「あっ…!!」



Aの発言に、憲兵側は思わず息を詰まらせた。
その反応にAはニヤリと口角を上げ、更に畳み掛けるように口を動かした。





それと、6年前の件…

確かに彼らがしてしまった事は過剰防衛ではあります。

しかし強盗誘拐犯という凶悪な輩を前に、果たして9歳の彼らに冷静な判断が下せたでしょうか?

そもそも、正常な心理状態ではなかったと考えられる当時の彼らから

人間性を見出そうとすること自体おかしいのです。

問題なのは今でしょう?

過去ではなく、今の彼らを見て、今一度ご自身の発言を見直してみられては?

最後に…彼に人類の命運、人材、資金を託すべきか?

それは審議の内容を総合して、最終的に判事席の方が決められることです。

傍聴席にまで話を振り、無意味に審議を混乱させるような真似はやめて頂きたいものですね。





「…以上です」



Aが全てを語り終えた時…

青い顔をしている憲兵側以外の者達は、全員唖然とした顔でAのことを見つめていた。



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- やっぱりこの作品神だな。うん。 (2021年8月25日 0時) (レス) id: 3d9458003a (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - めっちゃ面白いですっ!!サシャが好きなんで出番あって嬉しいです!!(^-^)/ (2018年11月15日 20時) (レス) id: 91ef51d80b (このIDを非表示/違反報告)
真龍(プロフ) - 地下の時の話で、イザベルやファーランなどの仲間は出さないんですか? (2018年7月30日 18時) (レス) id: cad0db13a6 (このIDを非表示/違反報告)
青い鳥(プロフ) - 創世の魔法使いさん» 読者様からの『面白かった!』という一言が、私にとって何よりの原動力になります。読んで頂きありがとうございました! (2014年12月9日 22時) (レス) id: abf9d06ce8 (このIDを非表示/違反報告)
創世の魔法使い - とても面白い!好き!それに、エレンのお兄さんが凄くイケメン! (2014年12月9日 21時) (レス) id: fd12ebc0d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青い鳥 | 作成日時:2014年10月31日 20時

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