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ギチ…と刃同士が擦れる音が洩れる。
「黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって…それと、俺はまだ17だ。おっさんじゃねぇ」
「あ…おにーさん、だったか…いや、それでもやっぱ年の割に小さぉわあっ！！！」
Aが『小さい』と言いかけた時、男が更に強い力で押し込んできたのだ。
どうやら身長のコトをかなり気にしているらしい…
Aは一旦後ろに下がると、ナイフを構え直して男を見る。
男には一切隙が無く、どこから打ち込んでも返り討ちにされそうな雰囲気だった。
そんな状況の中で、Aは密かに高揚していた。
今まで自分よりも強い相手に出会ったことなどなかったからである。
今日３つの壁を越えることに成功した時点で、Aの心の中には
『この壁の中に、最早自分と対等に戦える人間なんていない』という自尊心が芽生えていた。
それが、先程の男の最初の一撃…
───少しでも反応が遅れていたら、確実に切られていた
初めて自分に焦りを感じさせた男…
「俺はA・イェーガー…お前は？」
Aは挑発的な笑みを浮かべながら男に尋ねた。
しかし男は何も答えず、静かにナイフを構える。
合わせるように、Aもナイフを構えた。
そして少しの間を挟み、直後再び二人の刃が交わった瞬間…
「リヴァイだ」
男はそう口を開いた。
地上の空が淡い橙色に染まり始めた頃…
二人は地下街の一角に座り込み、会話を弾ませていた。
「まさかこんな所で俺と対等に戦える奴に会えるなんて思わなかったぜ！」
「俺もだ…しかし未だに信じられねぇな。
テメェみてぇな餓鬼が、マリア最南端の地区から壁を越えてやって来たなんて話…」
あの後、結局勝負はつかなかった。
途中、空腹でお互い倒れてしまったのだ。
しかしAが昼飯用にと持ってきていたパンをリヴァイに分け与えた事から、
二人はこうして仲良くなったというワケだった。
「嘘じゃねぇって。俺が此処にいる事が、何よりの証拠だろ？」
「ふん…そうだな」
Aの言葉に、リヴァイは小さく笑う。
「…ところでA。さっきの話…お前、本当に外の世界に行く気なのか？」
そう尋ねるリヴァイに、Aは間髪入れずに『行く』と返した。
「知りたいんだ…この世界の実態を」
そう答えるAの横顔は、とても11歳の子供のものとは思えなかった。
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な - やっぱりこの作品神だな。うん。 (2021年8月25日 0時) (
レス) id: 3d9458003a (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - めっちゃ面白いですっ！！サシャが好きなんで出番あって嬉しいです！！(^-^)/ (2018年11月15日 20時) (レス) id: 91ef51d80b (このIDを非表示/違反報告)
真龍(プロフ) - 地下の時の話で、イザベルやファーランなどの仲間は出さないんですか？ (2018年7月30日 18時) (レス) id: cad0db13a6 (このIDを非表示/違反報告)
青い鳥(プロフ) - 創世の魔法使いさん» 読者様からの『面白かった！』という一言が、私にとって何よりの原動力になります。読んで頂きありがとうございました！ (2014年12月9日 22時) (レス) id: abf9d06ce8 (このIDを非表示/違反報告)
創世の魔法使い - とても面白い！好き！それに、エレンのお兄さんが凄くイケメン！ (2014年12月9日 21時) (レス) id: fd12ebc0d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青い鳥 | 作成日時：2014年10月31日 20時
