□67.ぐるぐる ページ29
***
レン別れて、
少し買い物をしてから家に戻るともう夜だった。
直輝はまだ帰ってなくて、
私はお風呂に入ってゆっくりすることに。
.
｢…はぁ、｣
湯船に浸かると、大きなため息が出た。
結局私は、自分のことしか考えないんだ。
レンの気持ちを尊重したいとか綺麗事いいながら、
本当は彼女が直輝に気持ちを伝えてしまうのが怖い。
自分には勇気が出なく何年もできないでいることを、
たった数ヶ月でやってのけようとするレンに嫉妬している。
.
…私のほうが前からずっと好きだったのに。
なんて、
それがなんの自慢にもならないことも、分かってるんだけど…。
.
.
｢……熱、｣
色々考えていたらのぼせてしまったようだ。
浴室から出て部屋着に着替えるけど、
体が熱くてだるくて、髪の毛を乾かす気になれない。
その場に座り込んで動けないでいると、
ｶﾞﾁｬと玄関のドアが開く音が。
.
.
直輝｢ただい…、A？｣
｢あ…、おかえり｣
直輝｢えっ、大丈夫？貧血？｣
｢…ちょっとのぼせただけ、｣
直輝｢もう何やってんの…、立てる？｣
｢んー…｣
直輝｢首、捕まってて。…うわ、まじで熱い。｣
.
呆れたような直輝の声が耳に届いたと同時に、
体がふわっと浮いて彼に抱きかかえられる。
.
｢えっちょっ、重いって…！｣
直輝｢暴れないの。ちょっと大人しくしてて。｣
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 997人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紙兎
| 作成日時：2020年2月14日 23時
