□51.君の感情のスイッチ ページ11
***
直輝｢自分の許容範囲を超えたお酒は飲まないこと。｣
｢…はい、｣
直輝｢それと、夜中に脱走するのだけは本当にやめて。｣
｢…はい、｣
直輝｢夜道でA見つけた時心臓止まりそうになった。｣
.
その後も彼のお説教は終わらない。
直輝は普段凄く優しくて全然怒らないけど、
一度怒らせると簡単には許してくれない。
本当に怒っている時は話しかけても喋ってくれないし、
まるで虫けらを見るかのような冷たい視線に、
凄まじい怒りのオーラが見える。
…幸い私はまだそこまで怒られたことはないが、
父親の事件を追っている時の直輝は、
たまにこういう一面が垣間見えるので…少し怖い。
.
｢…ごめんなさい…、｣
直輝｢…分かればいいよ。
…あっ、そうだ、あと一個だけ…、｣
｢…？｣
.
.
直輝｢…腕、強く引っ張ってごめん。｣
｢……えっ？…あ、いや、全然大丈夫…！｣
直輝｢見せて。ちょっと赤くなってた気がする。｣
｢本当に大丈夫だよ…？｣
直輝｢いいから。｣
.
私をベットに座らせて、手首を見せるように言われる。
もう痛みなんかないし、
直輝を怒らせちゃったことしか気にしてなかったから、
手首のことなんか全然頭になかったのに。
.
直輝｢…、痛い？｣
｢…んーん。｣
直輝｢…良かった。｣
｢…心配してくれてありがとう。｣
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年2月14日 23時
