□49.免疫力 ページ9
***
直輝｢……もう既に飲んでるでしょ。｣
｢…っ……、｣
.
手のひらで頬をｽﾙﾘと撫でられて、息が止まる。
さっき引っ張られてる時は気が付かなかったけど、
久しぶりに、直輝に触れられた…。
こんな時なのに、ドキドキしてしまう自分が
本当に憎らしい。
.
直輝｢A、…酔うとすぐ顔赤くなる。…耳も真っ赤。
…目も潤んでる。｣
｢……まだ酔ってない。｣
直輝｢嘘。酔ってる。｣
｢酔ってないってば！｣
直輝｢そうやってすぐムキになるのも、酔ってる証拠。
…弱いくせにお酒飲んで、
しかもこんな遅い時間に外出して…。
あのカゴに入っていたやつ全部飲むつもりだったの？｣
｢…直輝には関係ない。｣
直輝｢関係ある。｣
.
ｸﾞｲｯと距離を詰められて、びっくりして後ろに下がると、
足元がフラついて倒れそうになる。
.
.
直輝｢……ほら、フラフラしてる。｣
｢…っ｣
直輝｢…Aはいつも危なっかしい。｣
.
咄嗟に彼の手が腰に回されて、転ばずにすんだ。
.
またしてもそのあまりの近さに狼狽えてしまう。
…やばい。
しばらく触れられてなかったせいで
彼に対する免疫が極端に落ちてる気がする。
怒られているこの状況なのに、
心拍が異常に早くなる。
触れられている所が熱くてしょうがない。
目も合わせられない。
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年2月14日 23時
